ビターチョコレート
「……って感じかなぁ。」
あたしの長ったらしい話しを文句1つ言わず、まりは聞いてくれた。
「気付いたのって結構最近なんだね。」
「最近って言っても3年も片思いしてんねんで〜。」
あたしは顔をしかめて言った。
「でも連絡とかは取ってるんでしょ?」
「取ってない…。だって連絡先とか知らんねんもん…。」
あたしのテンションはどんどん下がっていった。
「大丈夫だって!小3だよ?あたし小3のときの記憶、普通にあるもん!!だからそんなに落ち込まなくてもいいよ!!」
「そうかなぁ…?」
「そうだって!!」
あたしはその言葉にすごく救われた気がした。
ちょうどその時担任の先生らしき人が入ってきた。
「えーこのクラスの担任になった高杉健一(タカスギ ケンイチ)だ。よろしく。」
見た感じは若く、24・5歳に見えた。
「今から入学式だから廊下に名前呼ばれたヤツから並べ!」
あたしたちは廊下に並んで体育館に向かった。
式は約2時間ぐらいで終わった。
一旦教室に戻らないといけなかったあたしたちは、麻梨と一緒に教室に向かった。