ビターチョコレート
「何でまた泣くの…!も〜我慢してたのに僕まで泣いちゃうじゃん!!」
そう言った俊ちゃんの声は、少し震えていて、目にはうっすら涙が浮かんでいた。
「ごッ…ごめッ…」
あたしはそう言うと、涙を拭った。
でも、涙は次から次へと溢れ出た。
「ぼくさぁ瑠美と会えなくなるなんて、考えたことなかったんだ。」
「あたしだって同じだよ。」
「だから、絶ッ対だよ!約束だからね!」
「うん。絶対帰ってくる。」
あたしがそう言うとあたしの後ろからお母さんの声がした。
「新幹線もう出発するから早く乗りなさい!」
「……俊ちゃん、あたし、もう行かなきゃ…。」
そう言って私は新幹線に乗り込んだ。
そして俊ちゃんの方を向き言った。
「…絶対ッ!絶対戻って来るからね!!」
そう言うと同時に新幹線の扉は閉まり、出発した。
――――――――――
―――――――
―――