ビターチョコレート
忘れたなんて信じたくなくて、でもそれは現実であたしにはどうする事も出来なかった。
ただただ涙だけが溢れてくる。
あんな俊ちゃん知らん……。
あんな俊ちゃんの冷たい声聞いた事ない……。
ホンマにあたしの事、忘れたんや……。
あのやり取りの最中あたしは最後まで願ってた。
冗談だって言ってくれるのを……。
願わずにはいられなかった。
だってあたしには俊ちゃんとの思い出がはっきりとあったから……。
忘れたなんて思いたくなかった。
でもそれは事実で、その事実が今あたしにのし掛かっている。
俊ちゃんにとってあたしの存在ってそんなどうでもよかったん……?
あたしは……あたしにとっては凄い…凄い大きかったよ……。
期待なんてしなければよかった。
したばっかりに今の状況がどんどん辛くなっていく。
あんな期待してあたしアホみたいやん…。
こんな事になるんやったら東京になんて戻って来ぉへんかったらよかった。
あんまま大阪にいずっといればよかった……。
いくら泣いても涙は止めどなく溢れてくる。
「うぅ〜ッ……こっ…こんなんっ……いややぁ………。」
そのままあたしはその場で泣き崩れてしまった。