ビターチョコレート
あの事件から数日が過ぎたある日、当時同じクラスで友達だった龍に言われた。
「これってお前のファンの仕業じゃね?」って。
考えてもみなかった事を言われ俺は絶句した。
でも考えてみれば、クラスの女子を標的にした理由や俺の人気が上がるのに比例して度が増していったのもつじつまが合った。
そこで俺は漸く気付いた。
これは俺のファンの仕業だったって事に。
しばらくするとあの毎日あった嫌がらせは嘘のように消えていた。
まぁ女子が俺と喋らなくなったからだろうけど。
あんな事があってから俺も仕事以外で女とはあんま喋らなくなったけど。
でも「そんなの大丈夫♪」つって話し掛けてくるヤツもいるんだよな。
まぁそんなこんなで瑠美にあんな態度とったわけだけど俺、間違ってたか?
いや間違ってねぇよ。
瑠美が嫌がらせされないためにはこうするしかねぇし。
そんなことを自分の席に座って考えていると後ろから声が聞こえてきた。