ビターチョコレート
「おはよ!」
そんな声が聞こえてきた。
声のした方には爽歌が立っていた。
爽歌とは幼なじみで、小・中・高と学校が同じだ。
さっき言ってた俺に話し掛けてくるヤツがこいつなんだけど……。
本当にわかってんのか?
いつまた、昔みたいな事があるかもわかんねぇのに。
何回言ってもきかねぇし。
だからもう諦めたけどさ、でもマジでまたなったらどうすっかな…。
ちなみに翼は爽歌の事好きなんだよな。
で俺と爽歌は家の方向が同じだからさっきピンときた訳だけど。
爽歌んち行ったんじゃねぇかって。
…てことは爽歌にも見られたのか?
でもまぁ好都合ちゃあ好都合か。
こいつから瑠美にばれるなんてことになっちゃ困るしな。
そんなことを考えていると爽歌が俺に話し掛けてきた。
「ねぇ、学校来る前俊也誰かと話してたよね?」
やっぱり見られてたかと思いつつ答えた。
「ああ。」
「それって…「なぁ、ちょっとこっちこい。」
次にくる言葉が何なのか大体わかったので爽歌の言葉を遮り、廊下に連れ出した。