MAΖE〜メイズ〜
「だから諒,少しの間だけ穣吏ちゃんをかくまっておいてくれ。あとで必ず迎えにくるから」
「親父…」
おじさんの話を聞いて,あたしは本当に紫藤が許せなかった…
おじさんは何も悪くない
ただ巻き込まれただけ…
「け,警察に行けばなんとかなるんじゃねぇの?」
「無駄だ。紫藤は警察にも顔が利いている。きっと証拠不十分ですぐに釈放されてしまうだろう。それに…」
おじさんがあたしを見る
「もし穣吏ちゃんがまだ生きていると知れば,紫藤は必ず穣吏ちゃんを殺しにくる。だから穣吏ちゃん…おじさんと遠くに逃げよう」
遠くへ逃げる…?
もうあたしが生きる道はこれしかないんだ。
紫藤の思い通りに殺されてなんかたまるか!
「分かった」
あたしはおじさんと逃げる道を選んだ。
「諒…本当にすまない。お前を巻き込んでしまって。だけど…」
「いいよ別に。親父がホントの人殺しになるよりマシだし」
「ありがとう。諒」
これが本当の親子の絆…
あたしもおじさんみたいなお父さんがいて欲しかった…