MAΖE〜メイズ〜
そのとき
「この馬鹿!!こんな所でなにしてんだよ!?」
え…?
あたしは目を疑った。
「なんで…」
目の前には息を切らせた諒が立っていた。
学校に行ったはずじゃなかったの?
それに…
どうしてあたしを見つけにくるの?
せっかく諒の前から姿を消したのに…
あたしには諒の考えていることが分からなかった。
「どうして…ここに…」
「ハァ…ハァ…お前が馬鹿なこと考えて…いなくなったりするんじゃないかと思ったから…早退して戻ってきた。そしたらホントにお前,いなくなってるし…」
乱れた息を整えながら諒はゆっくりと話す。
諒が探しに来てくれたのは嬉しい…
だけど
「もう…あたしに関わらないほうがいいです…」
あたしに関われば諒も危ない目に遭ってしまう
それだけは絶対にダメ…
もう誰も死んでほしくないから。
なのに
「ふざけんな。俺がどれだけ心配したと思ってんだ」
諒は決してその場を動こうとはしなかった。