MAΖE〜メイズ〜
「親父はお前を命懸けで守ったんだ。だからお前は生きて幸せになれ。それまで俺がお前を守るから…絶対に」
諒は優しくあたしの頭をポンとなでた。
大きくて
優しくて
温かい手
(あたしを守る…?)
「ほ…ほんと…?」
「ああ,約束する」
「でも…」
「『でも』じゃねぇ!お前の幸せを俺がちゃんと見届けてやる」
「……」
嬉しかった
涙が止まらなかった
辛くて
苦しくて
ずっと死にたかった
だけど
今
あたしには諒がいる
あたしを守ってくれるという人がいる。
だから
あたしは生きたい
生きて,幸せになりたい