MAΖE〜メイズ〜
それ以降,あたしは本来の明るさを取り戻していった。
「ねぇ諒,また外に連れてってくれる?」
「俺が一緒のときならな」
「やった!」
諒のその言葉に嘘はなく,週に一度はあたしを外に連れ出してくれた。
でもいつも周りに注意を払いながら歩いている諒を見ていると,やっぱり申し訳ない気持ちになる。
だから外に出ない日はちゃんと大人しく留守番し,諒の帰りを待つことにしている。
諒が学校に行ってていないときはテレビを見たり,諒の昔の教科書を借りて勉強をしたりしている。
そして分からないところは夜,諒に教えてもらう。
「なんでこの式じゃだめなの?」
「これだと求めたい数字がでないだろ。この場合は…」
「あ!そっかぁ!諒スゴーい」
「いや…俺,高校生だし」
「あはは♪そだね(笑)」