□■1曲のラブソング■□
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『ふぅ……』
新宿に一人暮らしの南斗は、とりあえず落ちてきた女性を部屋に連れ込み、
ベッドに寝かせて様子を見た。
昔からの良心というようなもので、
手や足の擦り傷も手当てした。
汚れてしまっている服は、なんとかしたかったが、相手は女性なもので、そのままにしておいた。
南斗はひとまずベッドの横のイスに腰掛けた。
車が道路を走る音と、時計の音がやけに大きく聞こえる。
南斗はベッドでスヤスヤと眠っている女性を見つめた。
この人、いったい何者…?
つか、なぜに空の上から…?いや、ビルの上からか…?
まったくの他人を自分の家に連れ込んでいるだけあって、南斗は彼女に対する不信感が断ち切れない。
だが、よく見ればこの女性はアイドル顔負けの美人に、モデル並みのプロポーションで…
南斗はいつの間にかどんどん惹かれていった。
時計はもうすぐ7時を指すところだった。
南斗の携帯のアラームが大きく部屋に鳴り響いて、彼は『ヤベっ…』と、すぐに止めたのだが、
顔を上げると、ベッドで寝ていた女性は起き上がっていた。