□■1曲のラブソング■□
彼女はゆっくりとベッドから降り、南斗をまっすぐに見据えた。
その瞳には困惑が見られた。
南斗はその瞳に吸い込まれそうになったが、我に返り、彼女に話しかけた。
『ぁ、ぇっと…落ちてきたから一応ケガの手当てとかだけし…』
彼女に歩み寄ると、彼女は信じられない行動を起こした。
『…っ、さわるなーぁっ!誰だあんたは!!』
と言って、南斗の腕を掴み、なんと背負い投げ。
どぉ~ん…
鈍い音と同時に、南斗は床に叩きつけられた。
『いっっっった!!!いってぇなぁ!ぁにすんだ!』
『誰だあんたはと聞いてるだろ。』
厳しい口調で彼女は南斗を見下ろした。
しぶしぶと南斗は名乗った。
『……藤田南斗。』
『なんであたしはここにいるんだ。ここはどこだ、まず。』
『ここは、俺の家、です。』
『なんであんたの家にあたしはいるんだ。』
『……助けたから。』