天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「玲奈!」
ジェースは驚きの顔を、廊下の奥に向けた。
その隙を、ソリッドは見逃さなかった。
助走をつけずに、左足の力だけで、後ろに飛んだ。自分で開けた窓から背面飛びの格好で、外に出た。
「チッ」
ジェースはソリッドの動きに気付き、引き金を弾こうと思ったが、廊下にいる玲奈のことが気になって視線を外すことができなかった。
そんなジェースを見つめる玲奈。
2人の視線が絡まる。
「ジェース!」
緊張状態になった2人の様子に気付き、ティフィンがジェースの前に浮かぶと両手を広げ、玲奈を睨んだ。
「!?」
そのティフィンの行動に、玲奈は目を見開いた。
「ティフィン。退け!」
緊張が解けたジェースは、銃口を廊下の先に向けた。
その時には、玲奈と胸のオウパーツは消えていた。
「クッ!」
ジェースは、顔をしかめた。
「フフフ…」
東校舎と学園を囲む塀の間にある道を真っ直ぐに歩いていた麗華の前に、ソリッドと胸のオウパーツを手にした玲奈が現れたのは、ほぼ同時だった。
「ベアハングがやられた」
ソリッドはそう言うと、地面に唾を吐いた。
「そう」
麗華は、別に驚いていなかった。腕を組み、鼻で笑うと、
「勝手に行動するからよ」
玲奈の方に歩み寄ると、じっと宿主のいなくなった胸のオウパーツを見つめた。
そんな麗華に目を細めた後、無理矢理笑顔をつくると、ソリッドは訊いた。
「オウパーツに、性能差はないはずだ。身を守る盾だからな。なのに、あいつの腕は、ベアハングの体を貫いた。その理由は何だ?」
その質問に、麗華は再び鼻を鳴らし、横目で冷たくソリッドを見つめた。 そんなことくらい自分で考えろと、目がそう告げていた。
「麗華!教えてくれよお」
苛立ちを抑えながら、ソリッドは懇願するように言った。
「…」
それでも口を開かない麗華に、今まで黙っていた玲奈が口を開いた。
「あたしも知りたいわ。麗華」
「…玲奈」
麗華は、玲奈に顔を向けると、おもむろに話し出した。
ジェースは驚きの顔を、廊下の奥に向けた。
その隙を、ソリッドは見逃さなかった。
助走をつけずに、左足の力だけで、後ろに飛んだ。自分で開けた窓から背面飛びの格好で、外に出た。
「チッ」
ジェースはソリッドの動きに気付き、引き金を弾こうと思ったが、廊下にいる玲奈のことが気になって視線を外すことができなかった。
そんなジェースを見つめる玲奈。
2人の視線が絡まる。
「ジェース!」
緊張状態になった2人の様子に気付き、ティフィンがジェースの前に浮かぶと両手を広げ、玲奈を睨んだ。
「!?」
そのティフィンの行動に、玲奈は目を見開いた。
「ティフィン。退け!」
緊張が解けたジェースは、銃口を廊下の先に向けた。
その時には、玲奈と胸のオウパーツは消えていた。
「クッ!」
ジェースは、顔をしかめた。
「フフフ…」
東校舎と学園を囲む塀の間にある道を真っ直ぐに歩いていた麗華の前に、ソリッドと胸のオウパーツを手にした玲奈が現れたのは、ほぼ同時だった。
「ベアハングがやられた」
ソリッドはそう言うと、地面に唾を吐いた。
「そう」
麗華は、別に驚いていなかった。腕を組み、鼻で笑うと、
「勝手に行動するからよ」
玲奈の方に歩み寄ると、じっと宿主のいなくなった胸のオウパーツを見つめた。
そんな麗華に目を細めた後、無理矢理笑顔をつくると、ソリッドは訊いた。
「オウパーツに、性能差はないはずだ。身を守る盾だからな。なのに、あいつの腕は、ベアハングの体を貫いた。その理由は何だ?」
その質問に、麗華は再び鼻を鳴らし、横目で冷たくソリッドを見つめた。 そんなことくらい自分で考えろと、目がそう告げていた。
「麗華!教えてくれよお」
苛立ちを抑えながら、ソリッドは懇願するように言った。
「…」
それでも口を開かない麗華に、今まで黙っていた玲奈が口を開いた。
「あたしも知りたいわ。麗華」
「…玲奈」
麗華は、玲奈に顔を向けると、おもむろに話し出した。