天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「何!?追撃部隊が、全滅だと!一体何をしているんだ」
報告を聞いたギラは、苛立ちを露にした。
「空で、アルテミア様に敵う訳がないだろうが!」
魔王ライの居城内にある天空の騎士団の陣地で、跪く烏天狗達にそう叫んだ後、ギラはすぐに自分の前から下げさせた。
「フン!」
終わったことをクズクズ言う性格ではなかったが、自らの部隊の象徴であった天空の女神に、数だけで安易に敵うと思ったことに苛立っていたのだ。
「仕方がありませんよ」
そんなギラの後ろから、誰かが声をかけた。
「ゾラか…」
そこに控えていたのは、天空の騎士団親衛隊隊長ゾラだった。
「我が軍は、天空の女神の真の力を知りません。故に、あの方を恐れるものが、少ないのです」
人間の間ではすこぶる評判が悪く…ブロンドの悪魔と言われるアルテミアであるが、天空の騎士団を率いていた時期は短く、さらに若かったこともあり、その恐ろしさを体感したものは少なかった。
さらに、天空の騎士団には、バイラというライの分身がいたこともあり、アルテミアは箱入り娘のようなイメージを持たれていた。
魔王軍を敵にまわしてからは、人間にモード・チェンジし、女神の力を自ら封印していたこともあり…ネーナやマリーのように恐れられる存在ではなかった。
そのイメージは、簡単には拭い去ることはできなかった。
「しかし…」
ゾラは言葉を続けた。
「天空の女神のそばには、彼がいる。赤の王が!」
そう言ったゾラの額に、冷や汗が流れた。
旧防衛軍が、魔界に侵攻し、全滅した日。
彼は、この城まで来た。
その時、見せた圧倒的な魔力。
さらに、数ヶ月にも渡り、魔王ライを封印して見せたこともあり、魔物からはもっとも恐れられる存在となっていた。
だからこそ…魔王ライがいるのに、赤星浩一は赤の王と呼ばれるのだ。
「だからどうした?」
ゾラの言葉に、ギラの目が鋭さを増した。
その視線に気付いた瞬間、ゾラは慌てて跪き、頭を下げた。
彼ら魔神にとって、騎士団長とはもっとも近く恐ろしい存在なのだ。
報告を聞いたギラは、苛立ちを露にした。
「空で、アルテミア様に敵う訳がないだろうが!」
魔王ライの居城内にある天空の騎士団の陣地で、跪く烏天狗達にそう叫んだ後、ギラはすぐに自分の前から下げさせた。
「フン!」
終わったことをクズクズ言う性格ではなかったが、自らの部隊の象徴であった天空の女神に、数だけで安易に敵うと思ったことに苛立っていたのだ。
「仕方がありませんよ」
そんなギラの後ろから、誰かが声をかけた。
「ゾラか…」
そこに控えていたのは、天空の騎士団親衛隊隊長ゾラだった。
「我が軍は、天空の女神の真の力を知りません。故に、あの方を恐れるものが、少ないのです」
人間の間ではすこぶる評判が悪く…ブロンドの悪魔と言われるアルテミアであるが、天空の騎士団を率いていた時期は短く、さらに若かったこともあり、その恐ろしさを体感したものは少なかった。
さらに、天空の騎士団には、バイラというライの分身がいたこともあり、アルテミアは箱入り娘のようなイメージを持たれていた。
魔王軍を敵にまわしてからは、人間にモード・チェンジし、女神の力を自ら封印していたこともあり…ネーナやマリーのように恐れられる存在ではなかった。
そのイメージは、簡単には拭い去ることはできなかった。
「しかし…」
ゾラは言葉を続けた。
「天空の女神のそばには、彼がいる。赤の王が!」
そう言ったゾラの額に、冷や汗が流れた。
旧防衛軍が、魔界に侵攻し、全滅した日。
彼は、この城まで来た。
その時、見せた圧倒的な魔力。
さらに、数ヶ月にも渡り、魔王ライを封印して見せたこともあり、魔物からはもっとも恐れられる存在となっていた。
だからこそ…魔王ライがいるのに、赤星浩一は赤の王と呼ばれるのだ。
「だからどうした?」
ゾラの言葉に、ギラの目が鋭さを増した。
その視線に気付いた瞬間、ゾラは慌てて跪き、頭を下げた。
彼ら魔神にとって、騎士団長とはもっとも近く恐ろしい存在なのだ。