天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「ったく!どういうつもりなんですか!どうして、あんな危険人物を、この学校に入学させたんですか!」
大月学園内の体育館裏で、プロトタイプブラックカードを使って交信しているカレンは、苛々を相手にぶつけていた。
「この学校はヤバイんですよ。月の女神と闇の女神の件は、一段落しましたけど…胸騒ぎがするんです!また何か起こるような」
カレンは頭をかき、
「それに、多分ですけど…アルテミアも、近くにいるはずです!」
「それはよかったじゃないか…」
ブラックカードの向こうから、声がした。
「え?」
意味がわからないカレンに、声が告げた。
「君は、最終的に…アルテミアの力がほしいんだろ?いい機会じゃないか」
「ま、まあ…そうですが…」
カレンは動揺して、口ごもってしまった。
確かに、アートウッド家の名誉を取り戻す為に、一族の汚点であるティアナの娘アルテミアに、ピュア・ハートを突き刺し、その能力を奪うことを、第一に考えていた。
しかし、今は…その思いが揺らいでいた。
他者の力を奪い、得た力で他者を守ることは…正しいのだろうかと。
人の身でありながら、魔神に匹敵する力を得た戦士もいる。
それは、電話の相手であるジャスティン・ゲイのことである。
そして、数々の戦いが告げていた。
己が経験し、己で掴んだ力でないと、身にはつかない。
(それに…)
記憶や体に残る…女神達の姿が、カレンに問う。
お前は、あたし達に近寄れるのか。
今までの傲慢さで、ピュア・ハートを突き刺すだけでいいと思い、不用意に近付いたら、一瞬で自分は消滅するだろう。
(まずは…自らを鍛えること。すべてが、そこからだ)
カレンは深呼吸をすると、ジャスティンの問いにこたえた。
「例え…そうだとしても、今のあたしでは、そばにもよれません」
そのこたえに、
「そうか」
ジャスティンは、嬉しそうに笑った。
大月学園内の体育館裏で、プロトタイプブラックカードを使って交信しているカレンは、苛々を相手にぶつけていた。
「この学校はヤバイんですよ。月の女神と闇の女神の件は、一段落しましたけど…胸騒ぎがするんです!また何か起こるような」
カレンは頭をかき、
「それに、多分ですけど…アルテミアも、近くにいるはずです!」
「それはよかったじゃないか…」
ブラックカードの向こうから、声がした。
「え?」
意味がわからないカレンに、声が告げた。
「君は、最終的に…アルテミアの力がほしいんだろ?いい機会じゃないか」
「ま、まあ…そうですが…」
カレンは動揺して、口ごもってしまった。
確かに、アートウッド家の名誉を取り戻す為に、一族の汚点であるティアナの娘アルテミアに、ピュア・ハートを突き刺し、その能力を奪うことを、第一に考えていた。
しかし、今は…その思いが揺らいでいた。
他者の力を奪い、得た力で他者を守ることは…正しいのだろうかと。
人の身でありながら、魔神に匹敵する力を得た戦士もいる。
それは、電話の相手であるジャスティン・ゲイのことである。
そして、数々の戦いが告げていた。
己が経験し、己で掴んだ力でないと、身にはつかない。
(それに…)
記憶や体に残る…女神達の姿が、カレンに問う。
お前は、あたし達に近寄れるのか。
今までの傲慢さで、ピュア・ハートを突き刺すだけでいいと思い、不用意に近付いたら、一瞬で自分は消滅するだろう。
(まずは…自らを鍛えること。すべてが、そこからだ)
カレンは深呼吸をすると、ジャスティンの問いにこたえた。
「例え…そうだとしても、今のあたしでは、そばにもよれません」
そのこたえに、
「そうか」
ジャスティンは、嬉しそうに笑った。