天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「よお!乙女ブラック!」
「まさか…中西が、乙女ブラックとはなあ〜!」
「口だけではなかったのよ」
「あたし…今まで、ちょっと苦手だったけど…今は、尊敬してる!」
生徒達の話題を独占しているのは、ついに乙女ブラックの正体が明らかになったことであった。
暗黙の了解として、生徒会長である九鬼が正体であると思われていたが、大方の予想を裏切る結果となった。
「まあ〜生徒諸君!そんなに気にするなよ」
生徒達の注目の中、髪をかき上げながら、中西が廊下を歩いていく。
「今まで秘密にしていた意味が、なくなるだろう?」
無意味に回転する中西を、廊下の突き当たりにいた美和子が睨んでいた。
「偽者が、調子に乗りやがって!」
美和子は毒づくと、隣に立つ九鬼に顔を向けた。
「我々生徒会は、あなたの正体を知っています。どうして、中西から乙女ケースを取り返し、正体を明らかにしないのですか?自分こそが、学園を守ってきたヒーローだと!」
美和子の少しきつい口調に、九鬼はただ口元を緩め、
「誰が、守ってもいいのよ。それに、あたしは…正体を明かすつもりはないわ」
今度はポーズを取り、生徒達にアピールしている中西を見つめ、
「ただ…」
中西の手にある乙女ケースに目を細め、
「あれは、取り返すわ」
「生徒会長…」
美和子のそばから離れ、真っ直ぐに中西のもとに近づこうとする九鬼の前に、誰かが飛び出してきた。
「いるのか?本当に、あれが?」
道を塞ぐように、腕を組んで立っているのは、カレンだった。
「山本さん…」
九鬼は驚き、足を止めた。
カレンはフンと鼻を鳴らし、
「今、行ったら…騒動になるぞ」
顎で、廊下から離れるように促した。
「く!」
九鬼は、カレンの肩越しに中西を見つめた後、左に曲がった。
カレンも曲がる。
2人は、人混みから離れ…誰もいない渡り廊下に向かった。
「まさか…中西が、乙女ブラックとはなあ〜!」
「口だけではなかったのよ」
「あたし…今まで、ちょっと苦手だったけど…今は、尊敬してる!」
生徒達の話題を独占しているのは、ついに乙女ブラックの正体が明らかになったことであった。
暗黙の了解として、生徒会長である九鬼が正体であると思われていたが、大方の予想を裏切る結果となった。
「まあ〜生徒諸君!そんなに気にするなよ」
生徒達の注目の中、髪をかき上げながら、中西が廊下を歩いていく。
「今まで秘密にしていた意味が、なくなるだろう?」
無意味に回転する中西を、廊下の突き当たりにいた美和子が睨んでいた。
「偽者が、調子に乗りやがって!」
美和子は毒づくと、隣に立つ九鬼に顔を向けた。
「我々生徒会は、あなたの正体を知っています。どうして、中西から乙女ケースを取り返し、正体を明らかにしないのですか?自分こそが、学園を守ってきたヒーローだと!」
美和子の少しきつい口調に、九鬼はただ口元を緩め、
「誰が、守ってもいいのよ。それに、あたしは…正体を明かすつもりはないわ」
今度はポーズを取り、生徒達にアピールしている中西を見つめ、
「ただ…」
中西の手にある乙女ケースに目を細め、
「あれは、取り返すわ」
「生徒会長…」
美和子のそばから離れ、真っ直ぐに中西のもとに近づこうとする九鬼の前に、誰かが飛び出してきた。
「いるのか?本当に、あれが?」
道を塞ぐように、腕を組んで立っているのは、カレンだった。
「山本さん…」
九鬼は驚き、足を止めた。
カレンはフンと鼻を鳴らし、
「今、行ったら…騒動になるぞ」
顎で、廊下から離れるように促した。
「く!」
九鬼は、カレンの肩越しに中西を見つめた後、左に曲がった。
カレンも曲がる。
2人は、人混みから離れ…誰もいない渡り廊下に向かった。