天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「命が消えた!?」
西館の裏側を、特別校舎に向かって歩く浩也の目から、一筋の涙が流れた。
「切ない…思いが消えた…!?」
と思った瞬間、浩也は足を止めた。
「切ないとは何だ?」
溢れる思い…とめどもない思い…歯痒さ…温かさ…そして、やりきれない…切なさ。
たまに、心をかきむしる…これらの思いが、浩也を混乱させた。
考えれば考える程…答えのない世界をさ迷う。
もう少しで…あと数メートル先を曲がるだけで、特別校舎に行けるのに、浩也の足は止まってしまった。
「どうして…」
浩也は、瞳から流れた涙を指で拭った。
「こんなものが流れる?」
指についた涙を見つめる浩也の前に、何者かが立ちふさがった。
「心無き…人形のはずなのに、お前達は…形無きものに、惑わされている」
「!?」
前を見た浩也は、その者を知っていた。
それは、自分でもわからない記憶ではなく…はっきりとした浩也としての記憶の中に。
「あなたもそうよ。魂のない…単なる人形のはずなのに、今も向かおうとしている。その理由は何?」
浩也を見つめ、その心の中まで覗こうとしている女の名は、リンネ。
「お、お前は!?」
フレアと過ごした最後の日に、ジャングルであった魔神。
構えようとする浩也に、リンネはただ言葉を続けた。
「それが…愛なの?」
「愛?」
浩也は、眉を寄せた。
わからない…いや、学んだ言葉ではあったが、なぜか…よくわからなかった。
いや、わかっているのかもしれない。
だけど、今は…わからない振りをしょう。
(わからない振り?)
浩也の思考が、まるで自分の思考とは思えなかった。
何を考えている。
何を思っている。
僕は、何を隠している。
(隠している!)
誰に対して。
己に対して。
どうして。
どうしてだ。
浩也の心に、疑問をわきあげる。
その時、
心の中で、誰かの声がした。
(考えるより、願え)
西館の裏側を、特別校舎に向かって歩く浩也の目から、一筋の涙が流れた。
「切ない…思いが消えた…!?」
と思った瞬間、浩也は足を止めた。
「切ないとは何だ?」
溢れる思い…とめどもない思い…歯痒さ…温かさ…そして、やりきれない…切なさ。
たまに、心をかきむしる…これらの思いが、浩也を混乱させた。
考えれば考える程…答えのない世界をさ迷う。
もう少しで…あと数メートル先を曲がるだけで、特別校舎に行けるのに、浩也の足は止まってしまった。
「どうして…」
浩也は、瞳から流れた涙を指で拭った。
「こんなものが流れる?」
指についた涙を見つめる浩也の前に、何者かが立ちふさがった。
「心無き…人形のはずなのに、お前達は…形無きものに、惑わされている」
「!?」
前を見た浩也は、その者を知っていた。
それは、自分でもわからない記憶ではなく…はっきりとした浩也としての記憶の中に。
「あなたもそうよ。魂のない…単なる人形のはずなのに、今も向かおうとしている。その理由は何?」
浩也を見つめ、その心の中まで覗こうとしている女の名は、リンネ。
「お、お前は!?」
フレアと過ごした最後の日に、ジャングルであった魔神。
構えようとする浩也に、リンネはただ言葉を続けた。
「それが…愛なの?」
「愛?」
浩也は、眉を寄せた。
わからない…いや、学んだ言葉ではあったが、なぜか…よくわからなかった。
いや、わかっているのかもしれない。
だけど、今は…わからない振りをしょう。
(わからない振り?)
浩也の思考が、まるで自分の思考とは思えなかった。
何を考えている。
何を思っている。
僕は、何を隠している。
(隠している!)
誰に対して。
己に対して。
どうして。
どうしてだ。
浩也の心に、疑問をわきあげる。
その時、
心の中で、誰かの声がした。
(考えるより、願え)