天空のエトランゼ〜赤の王編〜
僕の横に立つ男が言った。

荒野に立つ男。

その前にいる魔物達。

僕の横で、息を引き取った少女。

男が、前に出た。

左手を突きだすと、何か言葉を叫んだ。

次の瞬間、男は光に包まれた。

さらに次の瞬間、その光を切り裂いて…エメラルドグリーンの髪を靡かせた女が姿を現した。

(指輪?)

僕は、自分の左手を見た。

(そうだ…)

僕にも、指輪があったんだ。

(今は…無くした)

だけど、確かにあったんだ。




混乱する心が、落ち着いていく。

(考えるよりも、願え…)

男の言葉を反芻した。


(そうだ!!僕の願いは!)

僕の心から、迷いが消えた。






「何!?」

リンネに向かって、突きだした浩也の左手の薬指に、指輪がはめられた。

「馬鹿な!」

目を見開いたリンネに向かって、浩也は叫んだ。


「モード・チェンジ!」
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