天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「今のやつ…。知り合いか?」
歩き出した九鬼の横に、いつのまにか同じ学校の生徒である花町蒔絵がいた。
相変わらず、片時も離さない携帯の画面を見つめながら、九鬼に訊いた。
「え、ええ…」
少し感傷に浸っていたとはいえ、真横に来てもまったく気配を感じなかったことに、九鬼は驚いてしまった。
「そうか」
蒔絵の指が忙しなく、キーボタンの上を走る。
「ちょっとこっちに来い」
蒔絵はディスプレイを睨みながら、顎で九鬼を人波から出るように示した。
「?」
首を傾げながらも、九鬼は蒔絵とともに通りを出て、再び…人気のない路地裏に入った。
蒔絵はずっと、画面を睨んでいた。どうやら、目的のサイトに中々繋がらないようだ。
数十秒後、蒔絵は繋がったサイトを見せる為に、命より大事な携帯を九鬼に渡した。
「何?」
九鬼は、画面に表示された文字を読んだ。
「今、この町で噂になっていることだ」
「噂?」
眉を寄せて、九鬼は文字を読んだ。
「人ならざるもの?」
「ここ最近…化け物の目撃情報が多い。そして、それと戦う者…人々を魔物から、救う者」
「!?」
「残念だが、あたし達じゃない」
「ブロンドの女神?」
蒔絵が見せたサイトは、女神に助けを求める掲示板だった。
「そうだ」
蒔絵は九鬼から、携帯を返して貰うと画面を切った。
「書き込まれたのが、すべて事実とは思えないが…嘘だと言えない。なぜなら、あたし達は…そういう存在と戦っているのだからな」
「つまり…あたし達以外に、闇と戦っている者がいると?」
「さあ〜ね」
蒔絵は肩をすくめると、また携帯をいじり出した。
「でも、そんな酔狂なやつが、他にいるとは思えないけどな」
そう言うと、人波の方に戻っていく蒔絵。
「蒔絵?」
「はあ〜だりぃな」
ため息をつきながら、蒔絵は路地裏から出ていった。
1人取り残された九鬼も、ため息をついた。
1人でいることに、慣れているはずなのに…妙な寂しさを感じていた。
歩き出した九鬼の横に、いつのまにか同じ学校の生徒である花町蒔絵がいた。
相変わらず、片時も離さない携帯の画面を見つめながら、九鬼に訊いた。
「え、ええ…」
少し感傷に浸っていたとはいえ、真横に来てもまったく気配を感じなかったことに、九鬼は驚いてしまった。
「そうか」
蒔絵の指が忙しなく、キーボタンの上を走る。
「ちょっとこっちに来い」
蒔絵はディスプレイを睨みながら、顎で九鬼を人波から出るように示した。
「?」
首を傾げながらも、九鬼は蒔絵とともに通りを出て、再び…人気のない路地裏に入った。
蒔絵はずっと、画面を睨んでいた。どうやら、目的のサイトに中々繋がらないようだ。
数十秒後、蒔絵は繋がったサイトを見せる為に、命より大事な携帯を九鬼に渡した。
「何?」
九鬼は、画面に表示された文字を読んだ。
「今、この町で噂になっていることだ」
「噂?」
眉を寄せて、九鬼は文字を読んだ。
「人ならざるもの?」
「ここ最近…化け物の目撃情報が多い。そして、それと戦う者…人々を魔物から、救う者」
「!?」
「残念だが、あたし達じゃない」
「ブロンドの女神?」
蒔絵が見せたサイトは、女神に助けを求める掲示板だった。
「そうだ」
蒔絵は九鬼から、携帯を返して貰うと画面を切った。
「書き込まれたのが、すべて事実とは思えないが…嘘だと言えない。なぜなら、あたし達は…そういう存在と戦っているのだからな」
「つまり…あたし達以外に、闇と戦っている者がいると?」
「さあ〜ね」
蒔絵は肩をすくめると、また携帯をいじり出した。
「でも、そんな酔狂なやつが、他にいるとは思えないけどな」
そう言うと、人波の方に戻っていく蒔絵。
「蒔絵?」
「はあ〜だりぃな」
ため息をつきながら、蒔絵は路地裏から出ていった。
1人取り残された九鬼も、ため息をついた。
1人でいることに、慣れているはずなのに…妙な寂しさを感じていた。