天空のエトランゼ〜赤の王編〜
ルナティックキック三式…別名乙女スピンは、ドリルの様になった体が、相手の体を貫く大技である。
それなのに、九鬼の体が化け物も向こうにあるのではなく、夏希の横にある。
「え?え?え?」
パニックになりかける夏希の耳に、ヒイイイイと馬のいななきが聞こえた。
「え…」
前を見た夏希の目の前に、ほとんど無傷の馬の化け物がいた。
「こいつら…ムーンエナジーが効かないのか…」
牛の腹筋に跳ね返された九鬼は、何とか立ち上がると、蹴りが当たった部分を見た。
体毛が焼け、丸く剥げができていたが、皮膚は少し焦げただけだった。
(違う!)
九鬼は横目で、馬の化け物を見た。そいつにも、焦げ痕があった。
(ムーンエナジーが、弱いんだ)
九鬼は唇を噛みしめると、ショックでぼおっとしている夏希に向ってジャンプした。
間一髪のところだった。
馬の化け物も尻尾が死角から、夏希の耳の中を貫こうと襲いかかってきたのだ。
夏希に抱き締め、地面を転がった九鬼の様子に、化け物達は目を細め、感心したようにいた。
「なかなかすばしこいな。この世界の人間にしてはな」
馬の化け物は、にやりと笑った。
「その世界に来てから、退屈しておった」
牛の化け物は巨体に似合わず、ジャンプすると、九鬼達を飛び越え、後ろに着地した。
空き地に隣接している市民会館の塀が、牛の化け物に踏みつけられて、簡単に粉々になった。
「弱い人間ばかりでな!」
「食料には、困らんが…」
牛の化け物の口から、涎が流れた。
「体が鈍って仕方がない」
「食料?ま、まさか…」
九鬼は化け物を見上げ、絶句した。
「人間を食べるのか!?」
「え」
夏希は、きょとんとしてしまった。
「当たり前だろ」
九鬼の叫びに、馬の化け物は逆に驚いたような顔になった。
「お前達下等動物が、我々の食料になることは、自然の道理!」
「そのことも、知らないとはな…無知の極みだな」
九鬼達を挟んで、じりじりと近づいて来る二体の化け物。
「き、貴様ら闇も!もっとは、人間から生まれたのだろうが!」
九鬼は夏希を抱き締めながら、化け物達を睨んだ。
それなのに、九鬼の体が化け物も向こうにあるのではなく、夏希の横にある。
「え?え?え?」
パニックになりかける夏希の耳に、ヒイイイイと馬のいななきが聞こえた。
「え…」
前を見た夏希の目の前に、ほとんど無傷の馬の化け物がいた。
「こいつら…ムーンエナジーが効かないのか…」
牛の腹筋に跳ね返された九鬼は、何とか立ち上がると、蹴りが当たった部分を見た。
体毛が焼け、丸く剥げができていたが、皮膚は少し焦げただけだった。
(違う!)
九鬼は横目で、馬の化け物を見た。そいつにも、焦げ痕があった。
(ムーンエナジーが、弱いんだ)
九鬼は唇を噛みしめると、ショックでぼおっとしている夏希に向ってジャンプした。
間一髪のところだった。
馬の化け物も尻尾が死角から、夏希の耳の中を貫こうと襲いかかってきたのだ。
夏希に抱き締め、地面を転がった九鬼の様子に、化け物達は目を細め、感心したようにいた。
「なかなかすばしこいな。この世界の人間にしてはな」
馬の化け物は、にやりと笑った。
「その世界に来てから、退屈しておった」
牛の化け物は巨体に似合わず、ジャンプすると、九鬼達を飛び越え、後ろに着地した。
空き地に隣接している市民会館の塀が、牛の化け物に踏みつけられて、簡単に粉々になった。
「弱い人間ばかりでな!」
「食料には、困らんが…」
牛の化け物の口から、涎が流れた。
「体が鈍って仕方がない」
「食料?ま、まさか…」
九鬼は化け物を見上げ、絶句した。
「人間を食べるのか!?」
「え」
夏希は、きょとんとしてしまった。
「当たり前だろ」
九鬼の叫びに、馬の化け物は逆に驚いたような顔になった。
「お前達下等動物が、我々の食料になることは、自然の道理!」
「そのことも、知らないとはな…無知の極みだな」
九鬼達を挟んで、じりじりと近づいて来る二体の化け物。
「き、貴様ら闇も!もっとは、人間から生まれたのだろうが!」
九鬼は夏希を抱き締めながら、化け物達を睨んだ。