天空のエトランゼ〜赤の王編〜
そんな明菜とは違い、絵里はカフェを出てから、笑みが口元から消えなかった。
携帯がまた鳴った。
ディスプレイを見て、絵里はすぐには出なかった。
かけてきた相手は、山根。
無視しょうかと思ったが、それは不味いと思い直した。
一呼吸すると、完全に笑みが消え…落ち着きを取り戻した。
「はい」
あくまでも、事務的に絵里は対応した。
相手の話を聞いてから、こたえた。
「沢村明菜と、赤星浩一の接触はないと思います。しかし、可能性は残っているかと…」
絵里の言葉に、電話の向こうの山根が言った。
「わかった。見張りをつけよう。君は…時が来るまで、現場で待機してくれたまえ。数日後に、同士達を多量にそちらに投入する予定だ」
「はい。了解しました」
電話を切った後、絵里の顔に笑みが戻った。
そして、携帯を操作して、先程来たメールに返事を返した。
「楽しみにしてるわ。赤星君…。あなたに会えることを」
メールを送って来たのは、噂のブロンドの女神であり…赤星浩一と名乗ってはいない。
だが、絵里は知っていた。
なぜならば、彼女は…。
人ならざるものに関わった人を救う女神。
その女神が、誰かも知っていた。
仲間である彩香が、接触しているはずだ。
彩香は山根に報告したが、絵里はしなかった。
その理由は、明菜から…浩一が、自分のことが好きだったと聞いたからだ。
(わたしにも…チャンスがある)
自分の体に、変化が現れた時…絵里はすべてに絶望した。
だから、演劇の道も捨てた。
山根達の命令にも、従っていた。
(でも…彼と結ばれたら…)
絵里の未来は、明るくなった。
この世界を支配できるかもしれない。
ほくそ笑む…絵里は知らない。
浩一と女神の関係を…。
「彼とわたしがいれば…その女神も何とかできるわ」
絵里は数年ぶりに、本当の笑顔をつくることができた。
携帯がまた鳴った。
ディスプレイを見て、絵里はすぐには出なかった。
かけてきた相手は、山根。
無視しょうかと思ったが、それは不味いと思い直した。
一呼吸すると、完全に笑みが消え…落ち着きを取り戻した。
「はい」
あくまでも、事務的に絵里は対応した。
相手の話を聞いてから、こたえた。
「沢村明菜と、赤星浩一の接触はないと思います。しかし、可能性は残っているかと…」
絵里の言葉に、電話の向こうの山根が言った。
「わかった。見張りをつけよう。君は…時が来るまで、現場で待機してくれたまえ。数日後に、同士達を多量にそちらに投入する予定だ」
「はい。了解しました」
電話を切った後、絵里の顔に笑みが戻った。
そして、携帯を操作して、先程来たメールに返事を返した。
「楽しみにしてるわ。赤星君…。あなたに会えることを」
メールを送って来たのは、噂のブロンドの女神であり…赤星浩一と名乗ってはいない。
だが、絵里は知っていた。
なぜならば、彼女は…。
人ならざるものに関わった人を救う女神。
その女神が、誰かも知っていた。
仲間である彩香が、接触しているはずだ。
彩香は山根に報告したが、絵里はしなかった。
その理由は、明菜から…浩一が、自分のことが好きだったと聞いたからだ。
(わたしにも…チャンスがある)
自分の体に、変化が現れた時…絵里はすべてに絶望した。
だから、演劇の道も捨てた。
山根達の命令にも、従っていた。
(でも…彼と結ばれたら…)
絵里の未来は、明るくなった。
この世界を支配できるかもしれない。
ほくそ笑む…絵里は知らない。
浩一と女神の関係を…。
「彼とわたしがいれば…その女神も何とかできるわ」
絵里は数年ぶりに、本当の笑顔をつくることができた。