天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「やはり…手っ取り早かったな」
魔界と人間界をわける結界の近くに、カレン・アートウッドはいた。
月影バトルで、己の未熟さを知ったカレンは、自らの経験値を上げる為に、魔界に近く森に潜伏していた。
九鬼と別れてから、すぐに森に入り、寝る間も惜しんで戦い続けていた。
魔物を倒す度に、その血の匂いに釣られて、新たな魔物が次々に現れていた。
ずっと着ている学生服も、ボロボロになってきていた。
しかし、着替えを持ってきてはいかなかった。
汗臭くなると、泉を探し…服を洗った。
その間、全裸になるが…魔物しかいない森である。
襲われても、全裸で戦った。
今日もそうだろうかと、たかをくくっていたら、
「す、すいません!」
なぜか…人間がいた。
それも、男である。
「え」
全裸で構えたカレンのすべてが、丸見えだった。
男は少し視線を外すと、
「あ、あのお…大変な時にす、すいません。少しお話をしたいのですが!」
「…」
一瞬、思考が停止したカレンの頭が動いた時、思い浮かんだのは、
(この男を斬る)
だったが…流石にまずい。
「う、後ろを向いて、待ってろ!」
男口調になったカレンに言われ、慌てて男は回れ右をした。
男が見ていないのは、確認すると、洗濯中の学生服を手に取った。
勿論、乾いていない。
いつもは、そのまま…木の枝にでもかけて、自然乾燥を待つのだが、時間がない。
仕方なく、プロトタイプブラックカードを取り出すと、魔物で服と下着を乾燥させた。
「よし!」
学生服を着たカレンは、改めてこちらに背を向けている男を見た。
華奢な体である。
少し丸みがあり、鍛えていないことがわかった。
(そんな男が…この魔物がいる森で、何をしているんだ?)
男の背中を凝視しながら、カレンは言った。
「もう振り向いても、いいですよ」
魔界と人間界をわける結界の近くに、カレン・アートウッドはいた。
月影バトルで、己の未熟さを知ったカレンは、自らの経験値を上げる為に、魔界に近く森に潜伏していた。
九鬼と別れてから、すぐに森に入り、寝る間も惜しんで戦い続けていた。
魔物を倒す度に、その血の匂いに釣られて、新たな魔物が次々に現れていた。
ずっと着ている学生服も、ボロボロになってきていた。
しかし、着替えを持ってきてはいかなかった。
汗臭くなると、泉を探し…服を洗った。
その間、全裸になるが…魔物しかいない森である。
襲われても、全裸で戦った。
今日もそうだろうかと、たかをくくっていたら、
「す、すいません!」
なぜか…人間がいた。
それも、男である。
「え」
全裸で構えたカレンのすべてが、丸見えだった。
男は少し視線を外すと、
「あ、あのお…大変な時にす、すいません。少しお話をしたいのですが!」
「…」
一瞬、思考が停止したカレンの頭が動いた時、思い浮かんだのは、
(この男を斬る)
だったが…流石にまずい。
「う、後ろを向いて、待ってろ!」
男口調になったカレンに言われ、慌てて男は回れ右をした。
男が見ていないのは、確認すると、洗濯中の学生服を手に取った。
勿論、乾いていない。
いつもは、そのまま…木の枝にでもかけて、自然乾燥を待つのだが、時間がない。
仕方なく、プロトタイプブラックカードを取り出すと、魔物で服と下着を乾燥させた。
「よし!」
学生服を着たカレンは、改めてこちらに背を向けている男を見た。
華奢な体である。
少し丸みがあり、鍛えていないことがわかった。
(そんな男が…この魔物がいる森で、何をしているんだ?)
男の背中を凝視しながら、カレンは言った。
「もう振り向いても、いいですよ」