天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「渓谷を抜けたら、アウトだわ」
女は目を瞑ると、周囲の地形を頭に思い描き、対策を練る。
「渓谷を抜けて、左手!数キロ向こうに川がある」
かっと目を見開くと、
「時間がない!」
女はどこからか、黒いカードを取り出した。
「発動するか!」
女は、カードの表面に並ぶ文字キーに指を這わした。
すると、女の姿が消えた。
数百キロ先の何もない空中に、突然現れた。
「よしとするか!」
女は落下しながら、手を前に伸ばした。
「来い!」
すると、前方から、先ほどの回転する物体が高速で飛んできた。
女のそばで、また2つに分裂すると、女は両手でそれを掴んだ。 それらを胸元で、十字にクロスさせると…剣になった。
「うおおおっ!」
雄叫びを上げると、女は落下しながら、剣を振り上げた。
目の前では、濁流と化した水の流れが、巨大な壁のようになり、女に迫る。
万事休すかと思った次の瞬間、女は剣を渓谷の出口に向かって、振り切った。
三百メートルは高さがある岩肌が、雷鳴によって切り裂かれ、崩れ落ちた。
崩れた岩肌は、濁流を防ぐ壁となった。
水と岩がぶつかり、激しい水しぶきが山脈の麓に飛びまくる。
「まだ!」
女は振り切ると同時に、ブラックカードを使い、後方へとテレポートした。
「やはり、距離が出ないか」
崩れ落ちた岩肌のすぐ後ろに、着地した女は舌打ちした。
落ちた衝撃で砂ぼこりが辺り一面に立ち込め、さらに天から水しぶきが降ってきた。
「このままでは、もたない!」
渓谷から流れてくる水の量は、まだ止まることがない。
数分後には岩を押し退けて、十字軍の本陣や町に襲いかかる。今度は、岩を引き連れて。
女は剣を握り返すと、一度深呼吸をした後、何も見えない前方を睨んだ。
そして――。
「モード・チェンジ!」
腹の底から、声を吐き出した。
女は目を瞑ると、周囲の地形を頭に思い描き、対策を練る。
「渓谷を抜けて、左手!数キロ向こうに川がある」
かっと目を見開くと、
「時間がない!」
女はどこからか、黒いカードを取り出した。
「発動するか!」
女は、カードの表面に並ぶ文字キーに指を這わした。
すると、女の姿が消えた。
数百キロ先の何もない空中に、突然現れた。
「よしとするか!」
女は落下しながら、手を前に伸ばした。
「来い!」
すると、前方から、先ほどの回転する物体が高速で飛んできた。
女のそばで、また2つに分裂すると、女は両手でそれを掴んだ。 それらを胸元で、十字にクロスさせると…剣になった。
「うおおおっ!」
雄叫びを上げると、女は落下しながら、剣を振り上げた。
目の前では、濁流と化した水の流れが、巨大な壁のようになり、女に迫る。
万事休すかと思った次の瞬間、女は剣を渓谷の出口に向かって、振り切った。
三百メートルは高さがある岩肌が、雷鳴によって切り裂かれ、崩れ落ちた。
崩れた岩肌は、濁流を防ぐ壁となった。
水と岩がぶつかり、激しい水しぶきが山脈の麓に飛びまくる。
「まだ!」
女は振り切ると同時に、ブラックカードを使い、後方へとテレポートした。
「やはり、距離が出ないか」
崩れ落ちた岩肌のすぐ後ろに、着地した女は舌打ちした。
落ちた衝撃で砂ぼこりが辺り一面に立ち込め、さらに天から水しぶきが降ってきた。
「このままでは、もたない!」
渓谷から流れてくる水の量は、まだ止まることがない。
数分後には岩を押し退けて、十字軍の本陣や町に襲いかかる。今度は、岩を引き連れて。
女は剣を握り返すと、一度深呼吸をした後、何も見えない前方を睨んだ。
そして――。
「モード・チェンジ!」
腹の底から、声を吐き出した。