天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「だ、誰もいないじゃないか!」
女が言う魔神に狙われている村についたカレンは、叫んだ。
人の気配がしない。
「どうなって…いるんだ?」
人が二十人くらい手を繋いで囲めるほどの大木を中心にして、村は円形に広がっていた。
しかし、そこに人の息吹が感じられない。
「?」
カレンは首を傾げながら、村に入った。
といっても、柵も塀もない。
魔神に狙われている村ならば、それなりの防御策は取っているはずだ。
「うん?」
カレンは一番近くにあった丸太でできた小屋に入った。
中は荒らされたというよりも、さびれていた。
昔…人が住んでいたという痕跡はあるが、もう長い間使われていない。
カレンは、小屋の真ん中にあるテーブルに近づいた。
そして、あるものを発見した。
それは、写真たてである。
手に取った写真たての埃を払うと、中に収まっている写真が見えた。
先程の女だ。
「ここは…あの人の家か…」
しかし、写真を見つめていたカレンは、あることに気付いた。
写真に刻まれた日付である。
「な…」
それは、50年前に写したことを告げていた。
「彼女の…お母さんか?」
少し首を傾げたカレンに、小屋の外から、女が声をかけた。
「どうされました?」
開いているドアから、首だけを出し、カレンを見つめた。
「い、いや…」
カレンは、写真たてをテーブルに置くと、女の方を見ずにきいた。
「ところで…村の人は、どこにいるの?」
「何…言ってるんですか?」
女は笑った。
「みんないるじゃないですか」
「え?」
カレンは振り返った。
少女の周りに、人が大勢いた。
「な!」
カレンは、絶句した。
その人々から、気配を感じない。
いや、感じるはずがない。
まるで、精巧な木彫りの人形のよう…。
「人間じゃない!」
一瞬で状況を判断したカレンは、ピュアハートを召喚すると、天井に向けて飛び上がった。
女が言う魔神に狙われている村についたカレンは、叫んだ。
人の気配がしない。
「どうなって…いるんだ?」
人が二十人くらい手を繋いで囲めるほどの大木を中心にして、村は円形に広がっていた。
しかし、そこに人の息吹が感じられない。
「?」
カレンは首を傾げながら、村に入った。
といっても、柵も塀もない。
魔神に狙われている村ならば、それなりの防御策は取っているはずだ。
「うん?」
カレンは一番近くにあった丸太でできた小屋に入った。
中は荒らされたというよりも、さびれていた。
昔…人が住んでいたという痕跡はあるが、もう長い間使われていない。
カレンは、小屋の真ん中にあるテーブルに近づいた。
そして、あるものを発見した。
それは、写真たてである。
手に取った写真たての埃を払うと、中に収まっている写真が見えた。
先程の女だ。
「ここは…あの人の家か…」
しかし、写真を見つめていたカレンは、あることに気付いた。
写真に刻まれた日付である。
「な…」
それは、50年前に写したことを告げていた。
「彼女の…お母さんか?」
少し首を傾げたカレンに、小屋の外から、女が声をかけた。
「どうされました?」
開いているドアから、首だけを出し、カレンを見つめた。
「い、いや…」
カレンは、写真たてをテーブルに置くと、女の方を見ずにきいた。
「ところで…村の人は、どこにいるの?」
「何…言ってるんですか?」
女は笑った。
「みんないるじゃないですか」
「え?」
カレンは振り返った。
少女の周りに、人が大勢いた。
「な!」
カレンは、絶句した。
その人々から、気配を感じない。
いや、感じるはずがない。
まるで、精巧な木彫りの人形のよう…。
「人間じゃない!」
一瞬で状況を判断したカレンは、ピュアハートを召喚すると、天井に向けて飛び上がった。