天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「ど、どちらにいかれておりましたか?」
魔界の中央…実世界でいうところの北京辺りに、ライの居城はあった。
有史以前から、魔王の城であり…先代の王レイを追い出し、ライが自らの物にした。
ライは、ほとんど城にはいない。それに、愛着もないのか…レイとの戦いで、傷んだ城の修繕も行われていなかった。
「少し外の空気を吸いにいっただけだ」
殺風景な玉座の間には、装飾品類がまったくない。戦いで、風穴が空いた壁もそのままにしている為、外からの風が吹き抜けになっていた。
ブルーワールドにある大陸の5分の1を締める魔界。それを牛耳る王の城にしては、風格がないように思えるが、必ずしもそうではない。
ライが玉座に座った瞬間、城の雰囲気は一転した。
彼が纏うオーラが、城全体を包み、見るものに恐怖と絶望を与える。
魔王がいる城。
それはまさに…ライがいれば、どんな建物でも難攻不落の城に変わるということを意味していた。
肘掛けに頬杖をついたライの前に立っている蛙男は、唾を飲み込んだ。玉座から放射状に広がったライの気が、足下を通り過ぎたからだ。
蛙男は口をパクパクさせて、緊張を解くと、ライに向って口を開いた。
「と、隣にいる女は!な、なんですか!」
すぐには、緊張が解けなかったようだ。
ライは大きく欠伸をした。
「人間だが?」
玉座の横で床に腰を下ろし、キョロキョロと怯えながら辺りを見回すアスカを見て、蛙男は目を丸くし、
「に、人間ですと!」
思わず声を荒げた。
ライはまた、欠伸をした。
「人間を王の間に入れたのですか!?こ、この城ができてから、一度たりとも!人間が足を踏み入れていない聖域に!に、人間の…お、女をい、いれるなんて!こ、こ、こんなことがあ!」
蛙男は頭を抱え、
「ライ様の側近として…わ、わたくしは!歴代の王様方に会わす顔がございません!」
その場で崩れ落ちると、大声で泣き出した。
その泣き声に、アスカは驚き、ピクッと身体を震わせた。
魔界の中央…実世界でいうところの北京辺りに、ライの居城はあった。
有史以前から、魔王の城であり…先代の王レイを追い出し、ライが自らの物にした。
ライは、ほとんど城にはいない。それに、愛着もないのか…レイとの戦いで、傷んだ城の修繕も行われていなかった。
「少し外の空気を吸いにいっただけだ」
殺風景な玉座の間には、装飾品類がまったくない。戦いで、風穴が空いた壁もそのままにしている為、外からの風が吹き抜けになっていた。
ブルーワールドにある大陸の5分の1を締める魔界。それを牛耳る王の城にしては、風格がないように思えるが、必ずしもそうではない。
ライが玉座に座った瞬間、城の雰囲気は一転した。
彼が纏うオーラが、城全体を包み、見るものに恐怖と絶望を与える。
魔王がいる城。
それはまさに…ライがいれば、どんな建物でも難攻不落の城に変わるということを意味していた。
肘掛けに頬杖をついたライの前に立っている蛙男は、唾を飲み込んだ。玉座から放射状に広がったライの気が、足下を通り過ぎたからだ。
蛙男は口をパクパクさせて、緊張を解くと、ライに向って口を開いた。
「と、隣にいる女は!な、なんですか!」
すぐには、緊張が解けなかったようだ。
ライは大きく欠伸をした。
「人間だが?」
玉座の横で床に腰を下ろし、キョロキョロと怯えながら辺りを見回すアスカを見て、蛙男は目を丸くし、
「に、人間ですと!」
思わず声を荒げた。
ライはまた、欠伸をした。
「人間を王の間に入れたのですか!?こ、この城ができてから、一度たりとも!人間が足を踏み入れていない聖域に!に、人間の…お、女をい、いれるなんて!こ、こ、こんなことがあ!」
蛙男は頭を抱え、
「ライ様の側近として…わ、わたくしは!歴代の王様方に会わす顔がございません!」
その場で崩れ落ちると、大声で泣き出した。
その泣き声に、アスカは驚き、ピクッと身体を震わせた。