天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「これは?」
十字軍本部を出たティアナは一路…元老院跡地を目指していた。
途中の駐屯地で、新型のホバーバイクを借りると、それで地中海を渡ることにした。
海上を南下しながら、ティアナは目の前に見える風景に絶句した。
何も見えないのである。
普段ならば、地中海を半分渡る頃には、壮麗な元老院の建物が見えるはずだった。
「それに!」
ティアナは、アクセルを吹かした。
バイクの下に、黒い影を見たからだ。
スピードを上げたバイクが、前へ弾けるように飛んだ。
と、ほぼ同時に、今までいた付近の海面が盛り上がり、巨大な銛の形をした触角が飛び出して来た。
「この海路には、魔物はいなかったはず!」
元老院と十字軍本部を結ぶ航路である。普段は、魔物などいるはずがなかった。
いや、魔界に近いからいてもおかしくはないのだが…いつもは、兵士が巡回しており、さらに巨大な結界が海底まで張られているはずだった。
(元老院がなくなったことで、対岸からの結界が消えたのか?)
あり得る話だった。
「チッ!」
ティアナは舌打ちすると、バイクのハンドルから手を離した。このホバーバイクには、武器の装備がなかったのだ。
海中にいる魔物を仕留めるには、バイクから離れるしかない。
ティアナが両手を上に向けると、回転する二つの物体が飛んできた。
二つとも掴んで、クロスに重ねると、ライトニングソードになった。
「そこ!」
ティアナは視界の端に、海面の真下を動く黒い影をとらえると同時に、ジャンプした。
海面に突き刺した部分から波紋が広がり、さらに突き刺すと、雷鳴が暴れ回った。
放電した電気は、辺りに拡散し、ライトニングソードを持つティアナの体を感電させた。
「や、やはり…」
思わず手を離しそうになったが、何とか耐えた。
しかし、そのまま…海の中に落ちてしまった。
十字軍本部を出たティアナは一路…元老院跡地を目指していた。
途中の駐屯地で、新型のホバーバイクを借りると、それで地中海を渡ることにした。
海上を南下しながら、ティアナは目の前に見える風景に絶句した。
何も見えないのである。
普段ならば、地中海を半分渡る頃には、壮麗な元老院の建物が見えるはずだった。
「それに!」
ティアナは、アクセルを吹かした。
バイクの下に、黒い影を見たからだ。
スピードを上げたバイクが、前へ弾けるように飛んだ。
と、ほぼ同時に、今までいた付近の海面が盛り上がり、巨大な銛の形をした触角が飛び出して来た。
「この海路には、魔物はいなかったはず!」
元老院と十字軍本部を結ぶ航路である。普段は、魔物などいるはずがなかった。
いや、魔界に近いからいてもおかしくはないのだが…いつもは、兵士が巡回しており、さらに巨大な結界が海底まで張られているはずだった。
(元老院がなくなったことで、対岸からの結界が消えたのか?)
あり得る話だった。
「チッ!」
ティアナは舌打ちすると、バイクのハンドルから手を離した。このホバーバイクには、武器の装備がなかったのだ。
海中にいる魔物を仕留めるには、バイクから離れるしかない。
ティアナが両手を上に向けると、回転する二つの物体が飛んできた。
二つとも掴んで、クロスに重ねると、ライトニングソードになった。
「そこ!」
ティアナは視界の端に、海面の真下を動く黒い影をとらえると同時に、ジャンプした。
海面に突き刺した部分から波紋が広がり、さらに突き刺すと、雷鳴が暴れ回った。
放電した電気は、辺りに拡散し、ライトニングソードを持つティアナの体を感電させた。
「や、やはり…」
思わず手を離しそうになったが、何とか耐えた。
しかし、そのまま…海の中に落ちてしまった。