天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「え…」

2人は、ティアナの言葉に絶句した。

クラークの足も止まった。

「先輩…」

ジャスティンは、ティアナの後ろ姿を見つめた。

吹っ飛ばされた場所で、ライトニングソードを握り締めながら、ティアナは二つの疑問を処理していた。

まずは、どうして…炎が生きているのかだ。

それは、炎の魔神だから…と一言で終わりそうだが、フレアの体を見てから、ティアナは疑問を覚えていた。

今まで会った炎の魔神達は、炎を纏ってはいたが…炎そのものではなかった。

(もしかしたら…)

ティアナは、リンネの体を凝視した。

あともう1つの疑問は…なぜ炎が斬れないかであった。

炎や風、水などが斬れないのは、当たり前だ。

だが、その当たり前に、ティアナは首を傾げた。

ライトニングソードをぎゅっと握り締め、

(奇跡の剣よ!あたしに、力を!)

ティアナは走り出した。

ライトニングソードを振り上げて。

「ば、馬鹿目!」

ティアナの動きに気付き、不動が進路に飛び込んできた。

「同士が目覚めたからには…お前達と遊んでいる暇はなくなった。私の手で、殺してやろう」

不動の体が燃え上がると、両手が伸びた。

左右から掴もうとする腕を、ティアナは一瞬で切り裂いた。

「無駄だということが、わからないんですか」

せせら笑った不動の顔が、一瞬で変わった。

「な、何?」

腕が斬れたのだ。まるでスライドするように、砂の上に落ちた。

「そこだ!」

ティアナは不動の体の一部に、違和感を見つけた。どうして見つけたのかは、わからい。だが、迷わずにその部分を切り裂いた。

炎の体に、亀裂が走る。

「こ、これは…」

人型を保っていた不動の体が、突然暴走し…制御できなくなくなった炎が暴走し、巨大な火柱が上がった。

「はあ!」

ティアナは止まらない。

不動を追い越すと、フレアとリンネに向かった。

「御姉様」
「フレア」

姉妹は、ティアナの姿を認め、攻撃体勢に入った。

「モード・チェンジ!」

ティアナが叫んだ瞬間、その姿が消えた。
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