天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「――で、先輩はどうされるんですか?」
不動達が去った…王宮の跡地で、少し膝をつけて休んでいたティアナに、ジャスティンが訊いた。
「十字軍の本部に戻られるんですか?」
「いや…」
ティアナは、何もない砂漠を見つめながら、ゆっくりと立ち上がった。
「そんな暇はない」
何もない砂だけの世界は、この世の終わりを表しているように見えた。
(世界が終わり…砂だけになったとしても…)
ティアナは青空を見上げ、
(空があれば…綺麗だと思う)
真上にある太陽の眩しさに、目を細めた。
(つまり…生命とは、この星にいらないものなのかもしれない。特に、人間なんてものは…)
ふうと深く息を吐くと、ティアナは歩き出した。
(だからこそ、その生命に感謝しょう)
貴重なる命。
生命が生まれる星は、少ない。
偶然なる生命に、感謝しょう。
(そんな命を…簡単に奪う存在)
ティアナは虚空を睨んだ。
(王という名の神!)
ティアナは振り返った。
海を越え、十字軍本部をも越え…魔界の入り口から、さらに奥地に入ると、あると言われている魔王の居城。
そこまで、たどり着いた人間はいない。
ティアナは拳を握り締めた。
今のレベルで、魔王を倒せるとは思えない。
(しかし…いずれは)
ティアナが強くなる決意をした…その瞬間。
皮肉にも…人間は、破滅への第一歩を進んでしまった。
「え」
ティアナは目を疑った。
魔界にある魔王の居城の方を睨んでいたティアナの目に、もうスピードで空へとかけあがる…細長い物体が映った。
それは、多くの命を奪う存在。
人が作った…一番愚かな兵器。
数分後、その兵器は上昇を止め、落下した。目的地とは別の場所に。
この世界に、迎撃用のミサイルなどあるはずがなかった。
何の抵抗も受けずに、地上に落ちた。
次の瞬間、大地が揺れ…巨大なきのこ雲が、この星が生まれて初めて姿を見せた。
不動達が去った…王宮の跡地で、少し膝をつけて休んでいたティアナに、ジャスティンが訊いた。
「十字軍の本部に戻られるんですか?」
「いや…」
ティアナは、何もない砂漠を見つめながら、ゆっくりと立ち上がった。
「そんな暇はない」
何もない砂だけの世界は、この世の終わりを表しているように見えた。
(世界が終わり…砂だけになったとしても…)
ティアナは青空を見上げ、
(空があれば…綺麗だと思う)
真上にある太陽の眩しさに、目を細めた。
(つまり…生命とは、この星にいらないものなのかもしれない。特に、人間なんてものは…)
ふうと深く息を吐くと、ティアナは歩き出した。
(だからこそ、その生命に感謝しょう)
貴重なる命。
生命が生まれる星は、少ない。
偶然なる生命に、感謝しょう。
(そんな命を…簡単に奪う存在)
ティアナは虚空を睨んだ。
(王という名の神!)
ティアナは振り返った。
海を越え、十字軍本部をも越え…魔界の入り口から、さらに奥地に入ると、あると言われている魔王の居城。
そこまで、たどり着いた人間はいない。
ティアナは拳を握り締めた。
今のレベルで、魔王を倒せるとは思えない。
(しかし…いずれは)
ティアナが強くなる決意をした…その瞬間。
皮肉にも…人間は、破滅への第一歩を進んでしまった。
「え」
ティアナは目を疑った。
魔界にある魔王の居城の方を睨んでいたティアナの目に、もうスピードで空へとかけあがる…細長い物体が映った。
それは、多くの命を奪う存在。
人が作った…一番愚かな兵器。
数分後、その兵器は上昇を止め、落下した。目的地とは別の場所に。
この世界に、迎撃用のミサイルなどあるはずがなかった。
何の抵抗も受けずに、地上に落ちた。
次の瞬間、大地が揺れ…巨大なきのこ雲が、この星が生まれて初めて姿を見せた。