天空のエトランゼ〜赤の王編〜
ティアナはブラックカードを握り締め、

「それでも!1人でも救えるならば!」

ティアナは震源地近くに、テレポートしょうとした。

「先輩!」

ジャスティンは止めようとした。

怒られるのを覚悟で、握り締めているブラックカードを払い落とそうとした。

その時、空に無数の黒い影が現れた。

魔界の方から。


「な!」

ティアナは絶句した。

それは、空を覆う無数の魔物の大軍だった。

「翼ある魔物達…」

クラークも目を見開いた。

遠く離れたティアナ達の場所からも、その様子は確認できた。

震源地近くに向かって、飛んでいく姿が。




「風を操れないものどもは、下がれ!」

魔物達の先頭を飛ぶギラとサラ。

「人間は、死んでも構わないが!この星を汚すことは、許さん!」

ギラが手を前に突きだすと、大気が固まり…壁をつくり出す。

「我に続け!」

「は!」

ギラの言葉に、魔神達も手を突きだす。

「上昇気流で、熱と放射能を天に逃がすぞ」

サラは上空を見た。震源地の空にできた黒い雲に気付き、

「あの雲から、雨を降らせる訳にはいかない!」

右手を突きだすと、大気の流れを変え、風の膜で雲を包んだ。

「すべて捨てるぞ!宇宙にな!」

空気の壁が震源地を囲むと、巨大な竜巻が発生し、宇宙へと昇っていった。

「どうして…人間の尻拭いをしなければならないのだ!」

ギラは毒づいた。




「駄目よ!」

その様子を見ていたティアナが叫んだ。

「あの中には、助かった人達がいる!」

「それは、絶望的です。あの筒の中の範囲なら、ほぼ即死のはずです。」

冷静に、クラークが状況判断をした。

「可能性は零ではないわ」

ティアナは、クラークを睨んだ。




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