天空のエトランゼ〜赤の王編〜
クラークは目を瞑り、

「生きていても…苦しむだけです」

「お前な!」

ジャスティンは、クラークの胸ぐらを掴んだ。

「核兵器の恐ろしさは、爆発後も続く!風に乗って放射能が周りに広がることが、一番恐ろしい!魔物達が、迅速に処理してくれたんだ!その被害が抑えられただけでも、有難い!」

震えながら言うクラークの様子に、ジャスティンは手を離した。

「人間は…クソ!」

クラークの言う事は、もっともだった。

ジャスティンもそれ以上、クラークを責めても仕方ないとわかっていた。

「…」

ティアナは、空に消えて行く竜巻を見上げながら、静かに涙を流していた。

目を瞑り、一度頭を下げると、ティアナは歩き出した。

「先輩!」

「多分…核は一発だけではないはず」

もう後悔も、悔やんでいる暇もない。

「十字軍本部に向う!残りに核を使用する前に、破棄させるわ」

「お、俺も行きます!」

ティアナの後を、ジャスティンが追った。

クラークは、2人の背中を横目で見つめ後、ゆっくりと歩き出した。

「…」

無言のままで。

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