天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「今、行くわ」
リンネは、返事をすると、窓から身を乗り出して離れないフレアに目をやった。
手を伸ばし、何かを掴もうとしているフレアの背中に微笑んだ。
無反応だったフレアの変化は、何でも嬉しかった。
しかし、魔神の集まりに連れていく気にはなれなかった。
「大人しく待っていてね」
リンネが部屋から消えたと同時に、伸ばしたフレアの手のひらに一輪の花が落ちてきた。
しかし、花は…フレアに触れると燃え尽きた。
その結果に、目を見開いて驚くフレアの目の前を、人が通り過ぎた。
つまり落ちていったのだ。
「ああ…」
全身血塗れになって、吹き抜けから落ちていくアスカの目に、空が映った。
痛みから見開いた瞳に、映るはずがないのに…アスカは空を見れた。
そして、その空を飛ぶ鳥の姿も。
(空を飛びたい…)
地面に叩きつけられるまでの数秒。アスカは、夢を描いた。
(そしたら…自由に、どこでもいけるのに)
初めて見る空の眩しさも、潰れているアスカの瞳には関係なかった。
(綺麗…)
地面に激突した瞬間、アスカは世界が綺麗と感じていた。
(ち、ち、ち…)
声も出なくなったアスカは、心の中で囀ずりを真似した。
完全に見えなくなる寸前、アスカの目に…空から降りてくる影が見えた。逆光の為、何なのかはっきりとは確認できなかった。
だけど、アスカには…それが、鳥に見えた。
(あたしも…あなたのように…なりたい)
アスカは、そばに降り立った影に、手を伸ばした。
そして、その手が握られた瞬間、アスカは息を引き取った。
「…」
アスカの手を掴んだのは、フレアだった。
なぜか…わからないが、アスカの手を握り締めた瞬間、フレアの目から涙が流れた。
初めての涙。
そして、炎の魔神であるフレアに手を握られた為に、アスカの体は燃え上がった。
その炎は、フレアから落ちた涙も蒸発させた。
一瞬で、燃え盛る炎は…フレア自身も包んだ。
炎は燃え広がり、やがて…その中から、一羽の鳥が空へと飛び立った。
リンネは、返事をすると、窓から身を乗り出して離れないフレアに目をやった。
手を伸ばし、何かを掴もうとしているフレアの背中に微笑んだ。
無反応だったフレアの変化は、何でも嬉しかった。
しかし、魔神の集まりに連れていく気にはなれなかった。
「大人しく待っていてね」
リンネが部屋から消えたと同時に、伸ばしたフレアの手のひらに一輪の花が落ちてきた。
しかし、花は…フレアに触れると燃え尽きた。
その結果に、目を見開いて驚くフレアの目の前を、人が通り過ぎた。
つまり落ちていったのだ。
「ああ…」
全身血塗れになって、吹き抜けから落ちていくアスカの目に、空が映った。
痛みから見開いた瞳に、映るはずがないのに…アスカは空を見れた。
そして、その空を飛ぶ鳥の姿も。
(空を飛びたい…)
地面に叩きつけられるまでの数秒。アスカは、夢を描いた。
(そしたら…自由に、どこでもいけるのに)
初めて見る空の眩しさも、潰れているアスカの瞳には関係なかった。
(綺麗…)
地面に激突した瞬間、アスカは世界が綺麗と感じていた。
(ち、ち、ち…)
声も出なくなったアスカは、心の中で囀ずりを真似した。
完全に見えなくなる寸前、アスカの目に…空から降りてくる影が見えた。逆光の為、何なのかはっきりとは確認できなかった。
だけど、アスカには…それが、鳥に見えた。
(あたしも…あなたのように…なりたい)
アスカは、そばに降り立った影に、手を伸ばした。
そして、その手が握られた瞬間、アスカは息を引き取った。
「…」
アスカの手を掴んだのは、フレアだった。
なぜか…わからないが、アスカの手を握り締めた瞬間、フレアの目から涙が流れた。
初めての涙。
そして、炎の魔神であるフレアに手を握られた為に、アスカの体は燃え上がった。
その炎は、フレアから落ちた涙も蒸発させた。
一瞬で、燃え盛る炎は…フレア自身も包んだ。
炎は燃え広がり、やがて…その中から、一羽の鳥が空へと飛び立った。