天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「フェニックス!?」
その姿を、ラルは玉座の間から見ていた。
アスカが落ちた…次の瞬間、人の大きさをした火の鳥が、天に向かって舞い上がった。
上空で数回、回転すると、火の鳥は…吹き抜けから飛び込み、玉座の間に降り立った。
「人間の…女?」
と、呟いてから、ラルは唇を噛み締めた。
「違う!お前は!?」
火の鳥は、人の姿へと変化していく。
「…炎の騎士団長の…妹」
炎は落ち着き、女の裸体を包む程度におさまった。
「…なのか?」
姿形は、フレアであった。
しかし、雰囲気が違う。
戸惑うラルに、フレアは微笑んだ。
「な、何が…起こった!?」
状況を理解できないラル。
その時、吹き抜けの向こうから、鳥の囀ずりが聞こえてきた。
フレアはぱっと笑顔になると、ラルに背中に向けた。
手を伸ばすと、腕に小鳥達が止まった。
先程の花が燃えたようには、ならなかった。
炎の質量が、抑えられていたのだ。
「何があったの!」
城から出た時に、ちょうど火の鳥の姿を見たリンネは、慌てて中に戻ってきたのだ。
姉妹の感覚で、その炎がフレアのものだとわかったリンネは、火の鳥が飛び込んだ玉座の間に急いだ。
そして、フレアを目にしたのだ。
「御姉様!」
満面の笑みを浮かべ、小鳥達と戯れるフレアを見た瞬間、リンネは綺麗だと思った。
初めて綺麗だと思ったものが、自らの妹だったとは…。
そのことに嫉妬は、覚えなかったが…リンネは不安な影を感じた。
なぜならば…彼女達は、魔神である。
戦う為に生まれたのだ。
綺麗であってはいけない。
それも、まるで…ガラス細工のように脆く壊れやすさを、フレアから感じていた。
「フレア…」
リンネはしばらく、フレアのそばに行けなかった。
その姿を、ラルは玉座の間から見ていた。
アスカが落ちた…次の瞬間、人の大きさをした火の鳥が、天に向かって舞い上がった。
上空で数回、回転すると、火の鳥は…吹き抜けから飛び込み、玉座の間に降り立った。
「人間の…女?」
と、呟いてから、ラルは唇を噛み締めた。
「違う!お前は!?」
火の鳥は、人の姿へと変化していく。
「…炎の騎士団長の…妹」
炎は落ち着き、女の裸体を包む程度におさまった。
「…なのか?」
姿形は、フレアであった。
しかし、雰囲気が違う。
戸惑うラルに、フレアは微笑んだ。
「な、何が…起こった!?」
状況を理解できないラル。
その時、吹き抜けの向こうから、鳥の囀ずりが聞こえてきた。
フレアはぱっと笑顔になると、ラルに背中に向けた。
手を伸ばすと、腕に小鳥達が止まった。
先程の花が燃えたようには、ならなかった。
炎の質量が、抑えられていたのだ。
「何があったの!」
城から出た時に、ちょうど火の鳥の姿を見たリンネは、慌てて中に戻ってきたのだ。
姉妹の感覚で、その炎がフレアのものだとわかったリンネは、火の鳥が飛び込んだ玉座の間に急いだ。
そして、フレアを目にしたのだ。
「御姉様!」
満面の笑みを浮かべ、小鳥達と戯れるフレアを見た瞬間、リンネは綺麗だと思った。
初めて綺麗だと思ったものが、自らの妹だったとは…。
そのことに嫉妬は、覚えなかったが…リンネは不安な影を感じた。
なぜならば…彼女達は、魔神である。
戦う為に生まれたのだ。
綺麗であってはいけない。
それも、まるで…ガラス細工のように脆く壊れやすさを、フレアから感じていた。
「フレア…」
リンネはしばらく、フレアのそばに行けなかった。