天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「これで、終わりだ」

ポセイドンの鎌がもう一度振り上げると同時に、 ティアナが飛びかかっていた。

「これ以上は、誰も殺させない!」

ジャンプすると同時に、飛んで来た2つの物体を掴み、十字にクロスさせると、ライトニングソードに変わった。

そのまま落下する速度と、さらに振り下ろすスピードが加算され、ポセイドンの鎌を上から止めた。

「うん?」

鎌を止められたポセイドンは、別段驚くこともない。ただ…ティアナごと振り下ろそうとするだけだ。

「クッ!」

ティアナは体重もかけたが、やはりびくともしない。

「小蠅が一匹」

ポセイドンが冷静に呟くように言った後、ティアナは簡単に地面に叩きつけられているはずだった。

「先輩!」

飛び込んできたジャスティンの回し蹴りが、ポセイドンのすねにヒットした。 人間ならば、悶え苦しむはずだが、ポセイドンにはまったく効いていなかった。

その無意味に思えた攻撃も、ティアナには有り難かった。

「ジャスティン!離れて!」

ライトニングソードが発光し、雷撃を放った。

今まで、まったくダメージを受けていなかったポセイドンの眉が、跳ね上がった。


「はっ!」

気合いとともに、ライトニングソードは分離した。

斬り下ろす勢いそのままで、ティアナはポセイドンの目の前に着地した。

と同時に、分離したチェンジ・ザ・ハートが再びティアナの腕で、ライトニングソードになった。

その一連の動きは、着地する間に行われた。さらに、地面に足がついた瞬間に回転し、腰を捻る動きとともに剣を振るった。

雷撃で痺れているポセイドンの首筋に、ライトニングが差し込まれるはずだった。

「フン!」

気合いとともに、ポセイドン後方に下がった。

虚しくライトニングソードの刃先は、ポセイドンの首筋を少し切り裂いただけだった。

「モード・チェンジ!」

かわされたとわかった瞬間、ティアナはモード・チェンジを使った。
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