天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「クソ!俺は…どうすればいい?」

あまりにもレベルの違う戦いに、クラークは何もできずに…ただ立ち尽くしていた。

魔法も使えない今、クラークにはなす術がなかった。

ジャスティンのように、丸腰で立ち向かうことなんてできなかった。

「ほお〜。やりますな」

そんな葛藤を続けていたクラークの横に、ラン・マックフィールドが立った。

「!?」

まったく気配を感じさせずに現れたことに、驚くクラーク。そんなクラークの方を見ずに、ランはあるものを差し出した。

「人間はそんな簡単に、環境の変化に対応できませんからねえ」

「こ、これは!?」

ランが差し出したものは、ブラックカードだった。

「少しですが…魔力をチャージしています。今すぐ使えますよ」

「…」

戸惑いながらも、クラークがカードを受け取ったのを確認すると、ランは歩き出した。だけど、すぐに足を止め、

「そうそう…言い忘れました。魔力は消費したら、なくなりますが…倒した魔物にカードをかざせば、魔力を奪い、チャージできますんで」

機能を説明した。

「そんな機能が!?」

驚くクラークに、ランは言った。

「驚くのは、私も同じですよ。こんなものを考えつくとは…ね」

ランは、ポセイドンの向こうで動けなくなっているティアナを見つめ、

「急ぎますか…」

着ている白衣の袖口から、腕に巻き付いている鞭を抜き出した。

「今、彼女を失えば…人類はおしまいです」

ランの言葉に、クラークは頷いた。

「はい!」

その声の力強さに、ランは微笑んだ。

「行きましょうか」

ランとクラークは歩き出した。

「人がこのまま…やられっぱなしで終わるものですか。今から、真の反撃が始まるんですよ!」


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