天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「あれは?」
ポセイドンの斬撃によって、半壊した十字軍本部内の混乱は治まってはいなかったが、水の騎士団の進攻を食い止めたティアナ達の行動により、落ち着きを取り戻した者達もいた。
それは、逃げ惑う者達ではなく…この騒ぎをどうにかしょうとしていた人達。
日本地区より、特待生として士官学校に留学に来ていた轟雷蔵もその1人だった。
パニック状態で騎士団に向かった数百人の特攻には参加せずに、最初から本部での籠城戦を想定していた轟は、割れた窓ガラスから、魔物の動向を探っていた。
そんな轟の目に、ティアナ達の戦いが飛び込んできた。
たった4人で、魔物の大軍を追い返した戦いに、轟は衝撃を受けていた。
「人は…鍛えれば、あそこまで戦えるのか!」
特に、神レベルと言われる魔神をも退けたティアナの凄さに、感嘆し、ため息すらついていた。
「俺の…行く先は決まった」
轟は歯を食い縛り、力強く頷いた。
この世界で武人を目指す者は、どこかで自らを人柱のように思っていた。
人々を守る為に盾になる。
そう覚悟していた。
しかし…今日のティアナを見て、轟は考え方を変えた。
盾だけではなく、刃にもなりうると。
そう思うと、この絶望的な状況でも、希望を持てた。
「俺も…強くならなれば」
そうティアナ達だけに、未来を押し付けてはいけない。
轟は窓の向こうのティアナ達に頭を下げると、廊下を歩き出した。
「そのためには…ここにいては、いけない」
いつになるかはわからないが…十字軍本部が少し落ち着いたら、武者修行に出ることを決めた。
士官学校で習った…魔法のことは、まったく意味のないことになってしまった。
「いや…まだわからない」
すべての習い事や経験を無意味にするのは、自分自身である。
轟はできるだけ、堂々を廊下を歩いた。
パニックになっている人々の間を、まだ若い自分の落ち着きを見せる為に。
それは、強がりでもよかった。なぜならば…今の人々に、一番必要なものだからだ。
ポセイドンの斬撃によって、半壊した十字軍本部内の混乱は治まってはいなかったが、水の騎士団の進攻を食い止めたティアナ達の行動により、落ち着きを取り戻した者達もいた。
それは、逃げ惑う者達ではなく…この騒ぎをどうにかしょうとしていた人達。
日本地区より、特待生として士官学校に留学に来ていた轟雷蔵もその1人だった。
パニック状態で騎士団に向かった数百人の特攻には参加せずに、最初から本部での籠城戦を想定していた轟は、割れた窓ガラスから、魔物の動向を探っていた。
そんな轟の目に、ティアナ達の戦いが飛び込んできた。
たった4人で、魔物の大軍を追い返した戦いに、轟は衝撃を受けていた。
「人は…鍛えれば、あそこまで戦えるのか!」
特に、神レベルと言われる魔神をも退けたティアナの凄さに、感嘆し、ため息すらついていた。
「俺の…行く先は決まった」
轟は歯を食い縛り、力強く頷いた。
この世界で武人を目指す者は、どこかで自らを人柱のように思っていた。
人々を守る為に盾になる。
そう覚悟していた。
しかし…今日のティアナを見て、轟は考え方を変えた。
盾だけではなく、刃にもなりうると。
そう思うと、この絶望的な状況でも、希望を持てた。
「俺も…強くならなれば」
そうティアナ達だけに、未来を押し付けてはいけない。
轟は窓の向こうのティアナ達に頭を下げると、廊下を歩き出した。
「そのためには…ここにいては、いけない」
いつになるかはわからないが…十字軍本部が少し落ち着いたら、武者修行に出ることを決めた。
士官学校で習った…魔法のことは、まったく意味のないことになってしまった。
「いや…まだわからない」
すべての習い事や経験を無意味にするのは、自分自身である。
轟はできるだけ、堂々を廊下を歩いた。
パニックになっている人々の間を、まだ若い自分の落ち着きを見せる為に。
それは、強がりでもよかった。なぜならば…今の人々に、一番必要なものだからだ。