天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「ああ…」
ジャスティンはむしむしするジャングルの中を歩きながら、空を見上げた。
湿度が高い熱帯雨林で育つ木々は、空を見せるのも少しだけだ。
「空を飛べたら…楽なのに…」
額からとめどもなく流れる汗が、襲いかかってくる魔物よりもうっとおしい。
「空中戦は、不利だ」
しんがりを歩くクラークが、冷たく返事した。
ジャスティンは少し膨れると、振り返り、
「だったら、カードの魔力でテレポーテーション!」
「…」
クラークは、ジャスティンの顔を数秒見つめた後、ため息とともに、
「瞬間移動は…空間認識能力がいる。その先に、何もないことを確認できなければ危険だ。草原など何もないところならいいが、ジャングルは障害物が多い。通常は、空でテレポートアウトしてから、着地するが…ジャングルでは難しい。一応、テレポートアウト時に結界を張り、周囲のものを吹き飛ばす方法が、研究されていたが…今回のマジックショックで…」
「わ、わかった!」
長々と説明しだすクラークを、ジャスティンは遮った。
「歩いていくよ!」
ジャスティンは前を向いた。
「それにだ。魔物を倒しながら、魔力を回収する方が、効率いい。テレポーテーションは、かなりの魔力を消費する。恐らく、目的地には魔神がいる。やつらと戦うには、魔力の温存が大切だ」
クラークの説明に、ジャスティンは何度も頷き、
「はい、はい!わかりましたよ」
再び流れ出した汗を腕で拭った。
2人の会話を聞きながら、周囲を警戒していたティアナは突然、目を見開いた。
「みんな!動かないで!」
ティアナは、一番前を黙々と歩くグレイの肩を後ろから手を伸ばし、掴んだ。
「え!」
無理矢理止められて、少し身を仰け反らしたグレイの目の前に、雷が落ちた。
空は晴天で、雲一つないのにだ。
雷が落ちたところから、半径十メートル程の草木は燃え尽き、円状の焼けた土でできた空き地が、一瞬で出来上がった。
その真ん中で、腕を組んで…仁王立ちになる魔神。
「な!」
クラークは絶句した。
ジャスティンはむしむしするジャングルの中を歩きながら、空を見上げた。
湿度が高い熱帯雨林で育つ木々は、空を見せるのも少しだけだ。
「空を飛べたら…楽なのに…」
額からとめどもなく流れる汗が、襲いかかってくる魔物よりもうっとおしい。
「空中戦は、不利だ」
しんがりを歩くクラークが、冷たく返事した。
ジャスティンは少し膨れると、振り返り、
「だったら、カードの魔力でテレポーテーション!」
「…」
クラークは、ジャスティンの顔を数秒見つめた後、ため息とともに、
「瞬間移動は…空間認識能力がいる。その先に、何もないことを確認できなければ危険だ。草原など何もないところならいいが、ジャングルは障害物が多い。通常は、空でテレポートアウトしてから、着地するが…ジャングルでは難しい。一応、テレポートアウト時に結界を張り、周囲のものを吹き飛ばす方法が、研究されていたが…今回のマジックショックで…」
「わ、わかった!」
長々と説明しだすクラークを、ジャスティンは遮った。
「歩いていくよ!」
ジャスティンは前を向いた。
「それにだ。魔物を倒しながら、魔力を回収する方が、効率いい。テレポーテーションは、かなりの魔力を消費する。恐らく、目的地には魔神がいる。やつらと戦うには、魔力の温存が大切だ」
クラークの説明に、ジャスティンは何度も頷き、
「はい、はい!わかりましたよ」
再び流れ出した汗を腕で拭った。
2人の会話を聞きながら、周囲を警戒していたティアナは突然、目を見開いた。
「みんな!動かないで!」
ティアナは、一番前を黙々と歩くグレイの肩を後ろから手を伸ばし、掴んだ。
「え!」
無理矢理止められて、少し身を仰け反らしたグレイの目の前に、雷が落ちた。
空は晴天で、雲一つないのにだ。
雷が落ちたところから、半径十メートル程の草木は燃え尽き、円状の焼けた土でできた空き地が、一瞬で出来上がった。
その真ん中で、腕を組んで…仁王立ちになる魔神。
「な!」
クラークは絶句した。