天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「おい」
ジャスティンは、目の前を睨みながら、クラークに毒づいた。
「空中戦は、不利じゃなかったのか?」
崩れ落ちていく地面を眼下に見下ろしながら、ジャスティンは空中にいた。
「仕方がないだろ。不可抗力だ。下が崩れたんだから…上だろ?」
「…死にそうなんだが…」
熱帯雨林のジャングルから、カードの魔力で、雲の上まで一気に上昇したジャスティンとクラーク。
噴き出ていた汗が冷たくなり、身を震えさせた。
「もう少し…我慢しろ」
雲の切れ間から、ギラの姿が見えた。
悟られぬように、雲を隠れ蓑に使っていた。
ティアナとの戦いで、完全に冷静さを失っているギラの意識は上に向くことはなかった。
落ちたティアナをしばらく探した後、ゆっくりと砦の方に戻っていくギラに、クラークは舌打ちした。
「遅い…」
2人とも結構な薄着だから、雲の上はきつい。
数分後、やっとギラがいなくなったのを確認すると、ジャスティンとクラークは崩れ落ちた地面を見下ろしながら、ゆっくりと降下していった。
「先輩達は、落ちたな。クラーク。俺達も、中に入ろう」
ジャスティンは心配そうに、結構深い穴の底を見下ろしていた。
「あの人なら、大丈夫だろう。騎士団長と互角の戦いが、できるんだから…。それよりも」
クラークは、ジャスティンを抱えながら、指先につまんでいるカードを見た。
「魔力が、残っていない」
プロトタイプであるクラーク達のカードは、のちのカードと違い、一回の使用で消費する魔力が大きかった。燃費が悪いのだ。
「クラーク!」
ジャングルの向こうに見える砦の方から、妙な音を耳にして、ジャスティンは前方を見て、叫んだ。
「チッ」
クラークも前を向いて、舌打ちした。
蜂に似た魔物の大群が、こちらに向かって来るのが、見えた。
「空中戦は、不利だろ?」
ジャスティンは、クラークの指先からカードを抜き取ると、自分のカードを代わりに挟んだ。
「魔力は満タンだ」
と言うと、クラークの体から離れた。
ジャスティンは、目の前を睨みながら、クラークに毒づいた。
「空中戦は、不利じゃなかったのか?」
崩れ落ちていく地面を眼下に見下ろしながら、ジャスティンは空中にいた。
「仕方がないだろ。不可抗力だ。下が崩れたんだから…上だろ?」
「…死にそうなんだが…」
熱帯雨林のジャングルから、カードの魔力で、雲の上まで一気に上昇したジャスティンとクラーク。
噴き出ていた汗が冷たくなり、身を震えさせた。
「もう少し…我慢しろ」
雲の切れ間から、ギラの姿が見えた。
悟られぬように、雲を隠れ蓑に使っていた。
ティアナとの戦いで、完全に冷静さを失っているギラの意識は上に向くことはなかった。
落ちたティアナをしばらく探した後、ゆっくりと砦の方に戻っていくギラに、クラークは舌打ちした。
「遅い…」
2人とも結構な薄着だから、雲の上はきつい。
数分後、やっとギラがいなくなったのを確認すると、ジャスティンとクラークは崩れ落ちた地面を見下ろしながら、ゆっくりと降下していった。
「先輩達は、落ちたな。クラーク。俺達も、中に入ろう」
ジャスティンは心配そうに、結構深い穴の底を見下ろしていた。
「あの人なら、大丈夫だろう。騎士団長と互角の戦いが、できるんだから…。それよりも」
クラークは、ジャスティンを抱えながら、指先につまんでいるカードを見た。
「魔力が、残っていない」
プロトタイプであるクラーク達のカードは、のちのカードと違い、一回の使用で消費する魔力が大きかった。燃費が悪いのだ。
「クラーク!」
ジャングルの向こうに見える砦の方から、妙な音を耳にして、ジャスティンは前方を見て、叫んだ。
「チッ」
クラークも前を向いて、舌打ちした。
蜂に似た魔物の大群が、こちらに向かって来るのが、見えた。
「空中戦は、不利だろ?」
ジャスティンは、クラークの指先からカードを抜き取ると、自分のカードを代わりに挟んだ。
「魔力は満タンだ」
と言うと、クラークの体から離れた。