天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「御姉様」
魔界にあるライの居城の一角にあるテラスから、外を眺めていたフレアは、目を輝かせ、後ろに立つリンネに声をかけた。
「世界は、美しい…」
感嘆のため息をつくフレアに、リンネは呆れていた。
何気ない風景が、美しいとは…リンネは思えなかった。だから、肩をすくめ、
「こんなのが、美しいなら〜世界中に溢れていることになるわね」
ゆっくりとフレアの隣まで、移動した。
城の向こうには、ただ一面の緑が広がっているだけだ。
実世界では、自然の淘汰ではなく…人間によって絶滅させられた動物も生きていた。
そんな動物よりも、数多くの魔物が緑の中で、自由に暮らしていた。
「あたしには…この世界のすべてが、死に向かっているように見えるわ。緑もいずれ枯れ、動物も老いていく。生よりも、死が溢れている世界に」
「違うわよ。御姉様」
フレアはゆっくりと、首を横に振った後、リンネに向かって微笑んだ。
「だからこそ、生きているすべてが美しいのよ」
「フッ…」
フレアの言葉に笑うと、
「そうかもしれないけど…あたし達は、炎の魔物。あたしが触れれば…命など、すぐに燃え尽きてしまう」
リンネは、自分の手のひらを見つめた。
「御姉様…」
そんなリンネの手に、フレアは手を伸ばすと上に重ね、ぎゅっと握り締めた。
「炎は、燃やすだけではないわ。消えそうな命に、火を灯すことだってできる」
「無理だ」
リンネは手を引くと、フレアから離れた。そして、自分を握っていたフレアの手を見つめ、
「あたしの炎は、強すぎる!」
吐き捨てるように言った。
同じ炎の魔物なのに、フレアの手が爛れていた。
フレアは、思わず目をそらしたリンネに向けて微笑みながら、
「御姉様の手は…温かい。誰よりも」
爛れた手を、自らの頬に当てた。
「フレア…」
リンネは、そんなフレアの優しさに…嬉しさを感じながらも、一抹の不安を覚えていた。
魔界にあるライの居城の一角にあるテラスから、外を眺めていたフレアは、目を輝かせ、後ろに立つリンネに声をかけた。
「世界は、美しい…」
感嘆のため息をつくフレアに、リンネは呆れていた。
何気ない風景が、美しいとは…リンネは思えなかった。だから、肩をすくめ、
「こんなのが、美しいなら〜世界中に溢れていることになるわね」
ゆっくりとフレアの隣まで、移動した。
城の向こうには、ただ一面の緑が広がっているだけだ。
実世界では、自然の淘汰ではなく…人間によって絶滅させられた動物も生きていた。
そんな動物よりも、数多くの魔物が緑の中で、自由に暮らしていた。
「あたしには…この世界のすべてが、死に向かっているように見えるわ。緑もいずれ枯れ、動物も老いていく。生よりも、死が溢れている世界に」
「違うわよ。御姉様」
フレアはゆっくりと、首を横に振った後、リンネに向かって微笑んだ。
「だからこそ、生きているすべてが美しいのよ」
「フッ…」
フレアの言葉に笑うと、
「そうかもしれないけど…あたし達は、炎の魔物。あたしが触れれば…命など、すぐに燃え尽きてしまう」
リンネは、自分の手のひらを見つめた。
「御姉様…」
そんなリンネの手に、フレアは手を伸ばすと上に重ね、ぎゅっと握り締めた。
「炎は、燃やすだけではないわ。消えそうな命に、火を灯すことだってできる」
「無理だ」
リンネは手を引くと、フレアから離れた。そして、自分を握っていたフレアの手を見つめ、
「あたしの炎は、強すぎる!」
吐き捨てるように言った。
同じ炎の魔物なのに、フレアの手が爛れていた。
フレアは、思わず目をそらしたリンネに向けて微笑みながら、
「御姉様の手は…温かい。誰よりも」
爛れた手を、自らの頬に当てた。
「フレア…」
リンネは、そんなフレアの優しさに…嬉しさを感じながらも、一抹の不安を覚えていた。