天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「あなたの相手は、じっくりとしますよ」
ライトニングソードを受け止めている上半身が、不動本体から分離し、別の個体となった。
「用がすむまで、大人しくしてくれますか?」
もう1人の不動の背中から、四本の腕が生えてきた。阿修羅像のような姿になった不動は、合計で六本となった腕に剣を持ち、ティアナに斬りかかる。
腕の長さは、伸縮自在であり、信じられない方向から斬りかかる攻撃に、ティアナは防戦に回った。
「クッ!」
剣司は鞘に手をかけると、一気に抜刀した。
神速の刃が、不動を切り裂いたが…炎の化身である不動には意味がなかった。
手応えなく、刃は体を素通りした。
「あなたには…用はありません」
不動は、剣司に人差し指を向けた。それだけで、剣司の上着が燃え上がった。
「うおおっ!」
上着を脱ぎ捨て、急いでカードを使って消火をした。処置が早かった為、何とか体に燃え移ることはなかった。しかし、暗殺用のカードも残高が零になってしまった。
「魔法?」
不動は、安堵した剣司の手からこぼれ落ちたカードを見て、
「ラルめ…。私には、何も言っていなが…何かからくりがあるようだな」
人差し指を向けた。
一瞬で燃え尽きたカード。
ちらりと剣司を見ると、精神的なダメージから片膝を地面につけていた。
「まあ〜いいでしょう。雑魚にかまっている暇はないので」
後ろでは、3本の腕を切り裂いたティアナが、自分の分身を追い込んでいた。
「忌々しい…女だ」
不動は人差し指を、グレイに向けた。
「くそ!」
剣を握り締め、睨むグレイを見て、不動は両手を広げると、肩をすくめて見せた。
「そんなに、緊張しなくていいですよ。ご心配なく、今はあなたを殺しませんよ」
「目的は、何だ!」
「すぐに、自分で理解しますよ」
炎の温度差で、微笑むような顔の表情を作った不動の指先から、何かが飛び出した。
グレイの額を射ぬいた。
種のようなものがめり込み、額の肉を焼きながら、中に染み込んでいく。
「うわああ!」
剣を離し、両手で頭を押さえながら、もがき苦しむグレイ。
ライトニングソードを受け止めている上半身が、不動本体から分離し、別の個体となった。
「用がすむまで、大人しくしてくれますか?」
もう1人の不動の背中から、四本の腕が生えてきた。阿修羅像のような姿になった不動は、合計で六本となった腕に剣を持ち、ティアナに斬りかかる。
腕の長さは、伸縮自在であり、信じられない方向から斬りかかる攻撃に、ティアナは防戦に回った。
「クッ!」
剣司は鞘に手をかけると、一気に抜刀した。
神速の刃が、不動を切り裂いたが…炎の化身である不動には意味がなかった。
手応えなく、刃は体を素通りした。
「あなたには…用はありません」
不動は、剣司に人差し指を向けた。それだけで、剣司の上着が燃え上がった。
「うおおっ!」
上着を脱ぎ捨て、急いでカードを使って消火をした。処置が早かった為、何とか体に燃え移ることはなかった。しかし、暗殺用のカードも残高が零になってしまった。
「魔法?」
不動は、安堵した剣司の手からこぼれ落ちたカードを見て、
「ラルめ…。私には、何も言っていなが…何かからくりがあるようだな」
人差し指を向けた。
一瞬で燃え尽きたカード。
ちらりと剣司を見ると、精神的なダメージから片膝を地面につけていた。
「まあ〜いいでしょう。雑魚にかまっている暇はないので」
後ろでは、3本の腕を切り裂いたティアナが、自分の分身を追い込んでいた。
「忌々しい…女だ」
不動は人差し指を、グレイに向けた。
「くそ!」
剣を握り締め、睨むグレイを見て、不動は両手を広げると、肩をすくめて見せた。
「そんなに、緊張しなくていいですよ。ご心配なく、今はあなたを殺しませんよ」
「目的は、何だ!」
「すぐに、自分で理解しますよ」
炎の温度差で、微笑むような顔の表情を作った不動の指先から、何かが飛び出した。
グレイの額を射ぬいた。
種のようなものがめり込み、額の肉を焼きながら、中に染み込んでいく。
「うわああ!」
剣を離し、両手で頭を押さえながら、もがき苦しむグレイ。