天空のエトランゼ〜赤の王編〜
通路の途中、体力回復の為にカードを使用しながら走るティアナ。火傷は治らないが、痛みは治まった。
度を越えた疲労から、思考能力も低下していた。
ティアナの脳波を感じ、飛来するチェンジ・ザ・ハートが先程の戦いで来なかったことからも、疲労の酷さがわかった。
本当ならば、時間をかけて体力を回復したいが、ティアナはそれができなかった。
「!?」
なぜならば、ティアナの目の前に、肩から剣が突き刺さったまま倒れている剣司がいたからだ。
慌てて、ティアナは剣司に駆け寄った。
「グ、グレイが…先に行った。や、やつを止められなかった…。早く…やつを追ってくれ」
剣は、肩口から背中までを貫いていた。
「その前に…剣を抜いて、止血しないと」
ティアナは、剣司の前にしゃがむと、ジャスティンのくれたカードを剣が刺さっている部分に当てた。
「俺のことより!あいつを!」
「痛むわよ」
ティアナは剣の柄を握り締めると、一気に抜いた。その動作と同時に、魔法を発動させ、血が噴き出すのを防いだ。
「く!」
顔をしかめただけで、悲鳴を上げない剣司を見て、ティアナは流石だと思った。
常に常備している包帯を取り出すと、肩口に巻いた。
応急措置を何とか終了すると、ティアナは額から流れた汗を拭った。
「す、すまない…」
剣司は礼を述べた後、ティアナを見て、フッと笑った。
「やっぱり…あんたは、凄いな…。噂通りだ」
「え」
「ここにいるということは、騎士団長を倒したということだろ?」
「倒してはいないわ」
ティアナは、首を横に振った。
「それでも…凄い。生きてるってことがな」
剣司はまじまじと、ティアナを見た。
ブロンドの美しく、華奢な女性が、ここまで強いとは…信じられなかった。
しかし、ティアナとジャスティン達がいなければ、ここまで来れなかったのも事実だった。
度を越えた疲労から、思考能力も低下していた。
ティアナの脳波を感じ、飛来するチェンジ・ザ・ハートが先程の戦いで来なかったことからも、疲労の酷さがわかった。
本当ならば、時間をかけて体力を回復したいが、ティアナはそれができなかった。
「!?」
なぜならば、ティアナの目の前に、肩から剣が突き刺さったまま倒れている剣司がいたからだ。
慌てて、ティアナは剣司に駆け寄った。
「グ、グレイが…先に行った。や、やつを止められなかった…。早く…やつを追ってくれ」
剣は、肩口から背中までを貫いていた。
「その前に…剣を抜いて、止血しないと」
ティアナは、剣司の前にしゃがむと、ジャスティンのくれたカードを剣が刺さっている部分に当てた。
「俺のことより!あいつを!」
「痛むわよ」
ティアナは剣の柄を握り締めると、一気に抜いた。その動作と同時に、魔法を発動させ、血が噴き出すのを防いだ。
「く!」
顔をしかめただけで、悲鳴を上げない剣司を見て、ティアナは流石だと思った。
常に常備している包帯を取り出すと、肩口に巻いた。
応急措置を何とか終了すると、ティアナは額から流れた汗を拭った。
「す、すまない…」
剣司は礼を述べた後、ティアナを見て、フッと笑った。
「やっぱり…あんたは、凄いな…。噂通りだ」
「え」
「ここにいるということは、騎士団長を倒したということだろ?」
「倒してはいないわ」
ティアナは、首を横に振った。
「それでも…凄い。生きてるってことがな」
剣司はまじまじと、ティアナを見た。
ブロンドの美しく、華奢な女性が、ここまで強いとは…信じられなかった。
しかし、ティアナとジャスティン達がいなければ、ここまで来れなかったのも事実だった。