天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「わかっている!今、彼女を助けるに向かっている!」
緑からの通信をカードで傍受しながら、高坂は屋上に向けて、階段を駆け上がっていた。
後ろには、河野輝がいた。
「とにかくだ!彼女を死なす訳にはいかない!人類にとって、彼女はかけがえのない存在だ!」
高坂はそう叫ぶと、階段を上りきり、鉄の扉を開いた。
九鬼真弓が磔になっている時計台は、すぐ目の前だった。
しかし、高坂と輝は…沈んでいく夕陽が真っ赤に輝いている屋上内に飛び出して、動けなくなっていた。
「い、いない!?」
輝は、足を止めた高坂より前に出て、時計台の方へ走った。 そして、鼻をくんくんさせて、九鬼の残り香を探した。
「匂いは、残っています!」
振り返り、高坂に向かって叫ぶ輝。
「どういうことだ!」
高坂は、手にしていたカードから緑に訊いた。
「どうなっている?誰が、運んだんだ?」
時計台の真下に、野次馬のようにいる生徒達もパニックになっていた。
その中にいる緑も、時計台を見上げながら、
「わかりません。一瞬ですけど…夕陽が一番眩しくなった時に…消えたと思われます。誰がやったのか」
緑は目を細めていた。
「馬鹿な!有り得ん!磔になっていた十字架も、消えているんだぞ!一瞬で、そんなことができるなんて…神でもないと有り得ないぞ……!?」
そこまで言って、高坂ははっとした。
「ま、まさか…」
下唇を噛み締め、
「神か…」
呟くように言った。
「く、くそ!」
その後、言葉を吐き捨てると、高坂は時計台のそばまで走った。
下からもわかる大きさで、九鬼の体に書かれた血文字。
女神ソラ。
あまりにも稚拙なメッセージに、高坂は呆れていた。
九鬼をやった相手は、凄腕ではあるが…知能は低いと。
しかし、一瞬で消したのが…同じ相手だとしたら…。
(遊んでやがる)
高坂は、言い様もない怒りをおぼえていた。
緑からの通信をカードで傍受しながら、高坂は屋上に向けて、階段を駆け上がっていた。
後ろには、河野輝がいた。
「とにかくだ!彼女を死なす訳にはいかない!人類にとって、彼女はかけがえのない存在だ!」
高坂はそう叫ぶと、階段を上りきり、鉄の扉を開いた。
九鬼真弓が磔になっている時計台は、すぐ目の前だった。
しかし、高坂と輝は…沈んでいく夕陽が真っ赤に輝いている屋上内に飛び出して、動けなくなっていた。
「い、いない!?」
輝は、足を止めた高坂より前に出て、時計台の方へ走った。 そして、鼻をくんくんさせて、九鬼の残り香を探した。
「匂いは、残っています!」
振り返り、高坂に向かって叫ぶ輝。
「どういうことだ!」
高坂は、手にしていたカードから緑に訊いた。
「どうなっている?誰が、運んだんだ?」
時計台の真下に、野次馬のようにいる生徒達もパニックになっていた。
その中にいる緑も、時計台を見上げながら、
「わかりません。一瞬ですけど…夕陽が一番眩しくなった時に…消えたと思われます。誰がやったのか」
緑は目を細めていた。
「馬鹿な!有り得ん!磔になっていた十字架も、消えているんだぞ!一瞬で、そんなことができるなんて…神でもないと有り得ないぞ……!?」
そこまで言って、高坂ははっとした。
「ま、まさか…」
下唇を噛み締め、
「神か…」
呟くように言った。
「く、くそ!」
その後、言葉を吐き捨てると、高坂は時計台のそばまで走った。
下からもわかる大きさで、九鬼の体に書かれた血文字。
女神ソラ。
あまりにも稚拙なメッセージに、高坂は呆れていた。
九鬼をやった相手は、凄腕ではあるが…知能は低いと。
しかし、一瞬で消したのが…同じ相手だとしたら…。
(遊んでやがる)
高坂は、言い様もない怒りをおぼえていた。