天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「殺された…?」

理沙のすがるような眼差しに、香坂は言葉通りに信じてしまいそうになった。。

「香坂!」

クラブハウスの方から、さやかが小走りで近づいてきた。

香坂はその声に気づかないのか、理沙の瞳から目を逸らせない。

息を切らしながら、さやかが香坂の横に立った。

「うん?」

香坂の前にいる理沙に気付いたが、気にせずに話しかけた。

「香坂、どうだ?何か気付いたか?」

さやかの言葉に、香坂は理沙を見つめながら、

「どうやら、自殺ではないらしい」

簡単に断定した自分に、フッと笑うと、

「彼女は、誰かに…殺された」

「え!?」

さやかが絶句し、

「一体、誰に!な、何か…根拠はあるの?」

香坂に訊いた。

香坂はただ…理沙を見つめるだけで、答えない。

(根拠は…彼女の瞳)

なんて言ったら、さやかにしばかれることはわかっていた。

香坂は無理矢理、目を閉じると、

「詳しくは、彼女から聞くことにする」

さやかに顔を向け、目を開いた。

「え!」

驚き、香坂と理沙を交互に見るさやか。

「部室を借りるぞ」

校内に入って来た救急車を尻目に、香坂は歩き出した。

その後ろを、理沙が続いた。

「…わ、わかったわ」

首を捻った後、さやかも歩きだした。

三人はクラブハウスに向けて歩き出した。








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