天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「フッ…」
魔物の一匹を倒した後、悠然とショッピングモール内から出てきた美亜の前に、1人の女が立ちはだかった。
「真弓の後を追ってきたら…面白いものが見れた」
その女の名は、山本可憐。しかし、それは、養子になった時に、与えられた名であった。
真の名は、カレン・アートウッド。
「?」
美亜は足を止め、前に立つカレンの顔を見た。
「普通の人間は、騙せても…あたしは、騙されない」
カレンは制服の胸元から、十字架のついたペンダントを取り出した。そして、十字架についた赤い碑石に指を当てると、剣を召喚させた。
針のように、細長い剣――ピュア・ハート。
「流石のあたしも…あんたが戦うところを見なければ…わからなかった」
カレンはピュア・ハートを、美亜に向かって突きだした。
「阿藤美亜!」
「!」
美亜は、突然の殺意に、目を見開き、驚いた…いや、ふりをしていた。
そんな美亜の態度にも、カレンはキレはしなかった。ただ冷静になろうと、努力していた。
「あなたは一体何ですか?」
あくまでも、キャラを貫き通そうとする美亜の可愛い子ぶった言い方を、カレンは鼻で笑った後、自分がわかった美亜の正体を口にした。
「いや…アルテミアよ」
カレンは一歩前に出て、ピュア・ハートの剣先を、アルテミアの心臓に向けた。不死のバンパイアであるアルテミアを倒すには、心臓を貫くしかない。
「なるほど」
カレンの言葉を聞いても、別段…アルテミアはショックを受けてはいなかった。
ただ眼鏡を外し、真っ直ぐにカレンを見た。
「別に…正体を隠していた訳ではない。ただ…あたしでない方が、やり易かっただけよ」
眼鏡を外しても、アルテミアの髪は黒のままである。 しかし、それでも…露になった鋭い眼光は、カレンの全身を震え上がらせた。
かつて一番、恐怖を感じた瞬間である炎の女神ネーナと遠くで対峙した時よりも、カレンは怖さを味わっていた。
(こ、これが…天空の女神)
ジャスティンに、鍛えられていなければ…目だけでやられていただろう。
魔物の一匹を倒した後、悠然とショッピングモール内から出てきた美亜の前に、1人の女が立ちはだかった。
「真弓の後を追ってきたら…面白いものが見れた」
その女の名は、山本可憐。しかし、それは、養子になった時に、与えられた名であった。
真の名は、カレン・アートウッド。
「?」
美亜は足を止め、前に立つカレンの顔を見た。
「普通の人間は、騙せても…あたしは、騙されない」
カレンは制服の胸元から、十字架のついたペンダントを取り出した。そして、十字架についた赤い碑石に指を当てると、剣を召喚させた。
針のように、細長い剣――ピュア・ハート。
「流石のあたしも…あんたが戦うところを見なければ…わからなかった」
カレンはピュア・ハートを、美亜に向かって突きだした。
「阿藤美亜!」
「!」
美亜は、突然の殺意に、目を見開き、驚いた…いや、ふりをしていた。
そんな美亜の態度にも、カレンはキレはしなかった。ただ冷静になろうと、努力していた。
「あなたは一体何ですか?」
あくまでも、キャラを貫き通そうとする美亜の可愛い子ぶった言い方を、カレンは鼻で笑った後、自分がわかった美亜の正体を口にした。
「いや…アルテミアよ」
カレンは一歩前に出て、ピュア・ハートの剣先を、アルテミアの心臓に向けた。不死のバンパイアであるアルテミアを倒すには、心臓を貫くしかない。
「なるほど」
カレンの言葉を聞いても、別段…アルテミアはショックを受けてはいなかった。
ただ眼鏡を外し、真っ直ぐにカレンを見た。
「別に…正体を隠していた訳ではない。ただ…あたしでない方が、やり易かっただけよ」
眼鏡を外しても、アルテミアの髪は黒のままである。 しかし、それでも…露になった鋭い眼光は、カレンの全身を震え上がらせた。
かつて一番、恐怖を感じた瞬間である炎の女神ネーナと遠くで対峙した時よりも、カレンは怖さを味わっていた。
(こ、これが…天空の女神)
ジャスティンに、鍛えられていなければ…目だけでやられていただろう。