天空のエトランゼ〜赤の王編〜
そして、九鬼を見つめると、綾子は微笑みを消した。
「今度は、あたしの番ね。本当の姿をお見せするわ」
綾子の瞳がさらに赤く輝くと、その姿が変わった。
「な!」
九鬼は目を見開いた。
「これが…今のあたし」
唇の端から二本の牙がのぞかれ、背中から巨大な蝙蝠の羽が飛び出し、全身に黒い気を纏っていた。
「悪魔…」
思わず…口から出た言葉に、九鬼は自分自身ではっとした。
「悪魔?」
九鬼の言葉に、綾子は首を捻り、
「どうかしらね。あたしには、もう1人のあなたの方が、悪魔に見えたけど」
「もう1人のあたし!?」
九鬼は思い出した。
中島を殺そうとした乙女ブラックを。
「真弓さん」
一瞬考え込んでしまった九鬼の隙をついて、綾子は目の前まで移動した。
「あたしは…今いる世界を変えようと思っている。今この世界を支配していると思い込んでいる人間は、愚かにも自らの分を弁えない力を得て、この星を汚しているわ」
「!」
九鬼は、瞳の呪縛で動けない。
「あたしには、それが許せない!」
九鬼の耳元でそう告げた後、綾子は九鬼から離れた。
「でも、その前に…あたしには、やらなければならないことがあるの」
綾子は、羽を広げた。
「この世界と、家族をすてた…あたしの兄と、兄をたぶらかした女を殺さなければならない!」
広げた羽は、中島を抱く狼王も包んだ。
「その決着がついた後、あなたのもとに来るわ!もう一度!」
「あ、やこ…さん」
「その時こそは…」
綾子の羽が巻き起こす突風が、九鬼を直撃した為、肝心の言葉が耳に入らなかった。
「綾子さん!」
突風に吹き飛ばされたことにより、九鬼は動けるようになった。
「最後に!あたしは、悪魔ではないわ!」
綾子の体が、中に舞った。
「人でもない!あたしは、この星を司る女神!テラ!」
雲がなくなり、夜空に浮かぶ月の明かりを遮りながら、綾子の姿は空高く…消えていった。
「今度は、あたしの番ね。本当の姿をお見せするわ」
綾子の瞳がさらに赤く輝くと、その姿が変わった。
「な!」
九鬼は目を見開いた。
「これが…今のあたし」
唇の端から二本の牙がのぞかれ、背中から巨大な蝙蝠の羽が飛び出し、全身に黒い気を纏っていた。
「悪魔…」
思わず…口から出た言葉に、九鬼は自分自身ではっとした。
「悪魔?」
九鬼の言葉に、綾子は首を捻り、
「どうかしらね。あたしには、もう1人のあなたの方が、悪魔に見えたけど」
「もう1人のあたし!?」
九鬼は思い出した。
中島を殺そうとした乙女ブラックを。
「真弓さん」
一瞬考え込んでしまった九鬼の隙をついて、綾子は目の前まで移動した。
「あたしは…今いる世界を変えようと思っている。今この世界を支配していると思い込んでいる人間は、愚かにも自らの分を弁えない力を得て、この星を汚しているわ」
「!」
九鬼は、瞳の呪縛で動けない。
「あたしには、それが許せない!」
九鬼の耳元でそう告げた後、綾子は九鬼から離れた。
「でも、その前に…あたしには、やらなければならないことがあるの」
綾子は、羽を広げた。
「この世界と、家族をすてた…あたしの兄と、兄をたぶらかした女を殺さなければならない!」
広げた羽は、中島を抱く狼王も包んだ。
「その決着がついた後、あなたのもとに来るわ!もう一度!」
「あ、やこ…さん」
「その時こそは…」
綾子の羽が巻き起こす突風が、九鬼を直撃した為、肝心の言葉が耳に入らなかった。
「綾子さん!」
突風に吹き飛ばされたことにより、九鬼は動けるようになった。
「最後に!あたしは、悪魔ではないわ!」
綾子の体が、中に舞った。
「人でもない!あたしは、この星を司る女神!テラ!」
雲がなくなり、夜空に浮かぶ月の明かりを遮りながら、綾子の姿は空高く…消えていった。