天空のエトランゼ〜赤の王編〜
浩也が掃討した道を一気に通り過ぎると、バスは再びトンネルに突入した。
このトンネルを越え、もう一回トンネルを潜れば、関所に着く。
再び、魔物の襲撃に備えて、二台のバス内に緊張が走る。
しかし、トンネルから飛び出すと、拍子抜けのように魔物がいなかった。
気配もしない。
静まり返った山の中を、バスは走る。路面も先のように、ガタガタになっていない。
「…」
真由は横の窓を見ることもなく、ただ前を見つめていた。
そんな真由の様子に、輝は何も言えなくなっていた。
「…!?」
すると、輝の座る席の斜め前から、鋭い眼光が飛んできた。
(話せ!)
振り返り、輝を睨んでいるのは、緑だった。
さらに、輝の前の席にはさやかが座り、聞き耳を立てていた。
(殺される)
このまま何も話さなければ、バスを降りた瞬間、2人の鬼に殺される。
輝は、自らの最悪の運命を変える為に、仕方なく真由に話しかけることを決めた。
「ま、魔物はもう〜襲って来ないようですね。よ、よかったですよね」
その言葉に、真由は目だけを動かし、輝を見ると、少し笑った。
その笑みを見て、輝はなぜか…ぞっとした。
無意識に自分から少し離れた輝に、微笑む顔を向けると、真由は言葉を続けた。
「だって…その方が怖いでしょ?魔物が、来ない方が」
その意味を考える余裕が、輝にはなかった。
真由の目を見つめ、動けなくなっていた。
「…」
前の席に座るさやかは、真由の言葉の意味を考えていた。
(確かに…最初のトンネルを潜った時は、魔物の群れに待ち伏せをされた)
その次のトンネルを抜けた方が、山の中に入っていたはずだ。
(なのに…魔物の襲撃はなかった)
その意味は、何だ。
最初の戦いで、九鬼やカレンの実力を知り、怖じけずいたのだろうか。
自分でそう考えて、さやかはすぐに否定した。
(そんなことはない!結構、付け入る隙はあったはずだ)
そんなすぐに、諦めるとは思えなかった。
このトンネルを越え、もう一回トンネルを潜れば、関所に着く。
再び、魔物の襲撃に備えて、二台のバス内に緊張が走る。
しかし、トンネルから飛び出すと、拍子抜けのように魔物がいなかった。
気配もしない。
静まり返った山の中を、バスは走る。路面も先のように、ガタガタになっていない。
「…」
真由は横の窓を見ることもなく、ただ前を見つめていた。
そんな真由の様子に、輝は何も言えなくなっていた。
「…!?」
すると、輝の座る席の斜め前から、鋭い眼光が飛んできた。
(話せ!)
振り返り、輝を睨んでいるのは、緑だった。
さらに、輝の前の席にはさやかが座り、聞き耳を立てていた。
(殺される)
このまま何も話さなければ、バスを降りた瞬間、2人の鬼に殺される。
輝は、自らの最悪の運命を変える為に、仕方なく真由に話しかけることを決めた。
「ま、魔物はもう〜襲って来ないようですね。よ、よかったですよね」
その言葉に、真由は目だけを動かし、輝を見ると、少し笑った。
その笑みを見て、輝はなぜか…ぞっとした。
無意識に自分から少し離れた輝に、微笑む顔を向けると、真由は言葉を続けた。
「だって…その方が怖いでしょ?魔物が、来ない方が」
その意味を考える余裕が、輝にはなかった。
真由の目を見つめ、動けなくなっていた。
「…」
前の席に座るさやかは、真由の言葉の意味を考えていた。
(確かに…最初のトンネルを潜った時は、魔物の群れに待ち伏せをされた)
その次のトンネルを抜けた方が、山の中に入っていたはずだ。
(なのに…魔物の襲撃はなかった)
その意味は、何だ。
最初の戦いで、九鬼やカレンの実力を知り、怖じけずいたのだろうか。
自分でそう考えて、さやかはすぐに否定した。
(そんなことはない!結構、付け入る隙はあったはずだ)
そんなすぐに、諦めるとは思えなかった。