天空のエトランゼ〜赤の王編〜
(先程の…襲撃は、明らかにおかしい)
食堂には行かずに、1人歩道に立つアルテミアは、関所の向こう…今さっき通って来た山々を見つめていた。
(赤星の魔力が上がっている。それは、問題がない。しかし、今のあいつでは、巨大過ぎる魔力をコントロールできない)
と考えてから、アルテミアはフッと笑った。
(それは、仕方がないな。今のあいつには、心がない。あるのは、仮初めの心に似たもの…本当のあいつではない)
アルテミアは、ぎゅっと拳を握り締め、
(しかし、今の状態で魔力の暴走だけは、させてはいけない。島にいけば…発散できるだろう)
そのまま山々に背を向けて歩き出そうとした瞬間、アルテミアは振り返った。
(何だ!?この感覚は!)
微弱だが…何かがゆっくりと確実に、こちらに向かって来ているのを感じた。
(まだ…かなり遠いが…何かが、こちらの方向に向かって来ている。数は四!ただし…レベルは大したことはない。だけど、異質だ)
その接近してくるもの達の予想進路を頭に描き、目で追った。すると、目は…これからバスが向かおうとする方向に動いた。
「成る程」
アルテミアはにやりと笑うと、歩き出した。
食堂の前にある駐車場。その出入口には、兵士が立っていた。
「阿藤さん!」
食堂の入り口から、同じクラスの吉沢瑞希が手を振って来た。
「もう食事は、終わったの!」
声を張り上げてきいてきた瑞希に、アルテミアも少し声を張り上げた。
「うん!終わったわ」
そして、瑞希の方に歩き出した。出入口の左右を守る兵士の横を通り過ぎる。
無言で立つ兵士達は、知らない。気付いていない。
自分の首筋に、小さな傷があることを…。
アルテミアは微かに笑うと、瑞希の方へ駆け出した。
食堂には行かずに、1人歩道に立つアルテミアは、関所の向こう…今さっき通って来た山々を見つめていた。
(赤星の魔力が上がっている。それは、問題がない。しかし、今のあいつでは、巨大過ぎる魔力をコントロールできない)
と考えてから、アルテミアはフッと笑った。
(それは、仕方がないな。今のあいつには、心がない。あるのは、仮初めの心に似たもの…本当のあいつではない)
アルテミアは、ぎゅっと拳を握り締め、
(しかし、今の状態で魔力の暴走だけは、させてはいけない。島にいけば…発散できるだろう)
そのまま山々に背を向けて歩き出そうとした瞬間、アルテミアは振り返った。
(何だ!?この感覚は!)
微弱だが…何かがゆっくりと確実に、こちらに向かって来ているのを感じた。
(まだ…かなり遠いが…何かが、こちらの方向に向かって来ている。数は四!ただし…レベルは大したことはない。だけど、異質だ)
その接近してくるもの達の予想進路を頭に描き、目で追った。すると、目は…これからバスが向かおうとする方向に動いた。
「成る程」
アルテミアはにやりと笑うと、歩き出した。
食堂の前にある駐車場。その出入口には、兵士が立っていた。
「阿藤さん!」
食堂の入り口から、同じクラスの吉沢瑞希が手を振って来た。
「もう食事は、終わったの!」
声を張り上げてきいてきた瑞希に、アルテミアも少し声を張り上げた。
「うん!終わったわ」
そして、瑞希の方に歩き出した。出入口の左右を守る兵士の横を通り過ぎる。
無言で立つ兵士達は、知らない。気付いていない。
自分の首筋に、小さな傷があることを…。
アルテミアは微かに笑うと、瑞希の方へ駆け出した。