天空のエトランゼ〜赤の王編〜
覚悟を決めた時、高坂の後ろから声がした。

「そんな体になっても…仲間の為に戦うなんて…素晴らしいことね」

「え」

高坂は振り返った。

逆光の為に、すぐには姿を確認できなかったが、高坂は声で誰か理解した。

「世界をこえたいと言った時も、人を守る為と言っていたけど…本当は、信じてなかった」

洞窟内に入ると、その姿が確認できた。

「だけど、記憶をなくしても…あなたは、あなたであることに変わりなかった」

「どうして、ここに?」

高坂は、目を丸くした。

そばに来たのは、綾瀬理沙だった。

「キイイ!」

魔物が奇声を発すると、一斉に飛びかかってきた。

「勿論…あなたが、気にかかったからよ」

理沙は、高坂を守るように前に出た。

すると、外から光る物体が飛び込んできた。

理沙と高坂の横を通ると、飛びかかってきた魔物を蹴散らした。

「たかが…虫けらごときが!」

理沙が腕を前に突きだすと、光る物体は彼女の手の中に飛び込んできた。

「そ、それは!?」

高坂が思わず、声を張り上げた。

「装着!」

理沙が叫ぶと、光る物体は真ん中から開き、さらなる光を吐き出した。

真っ暗な洞窟内が昼間のように、明るくなり…百匹はいる魔物の姿をさらした。

そして、光がおさまったが…高坂の前に、先程よりも眩しい光を纏った戦士が立っていた。

だけど、この光は…目に優しかった。

「お、乙女…プラチナ!?」

絶句する高坂の前で、乙女プラチナは、魔物の群れに飛び込んでいった。

そして、数秒後…洞窟にいた魔物は消滅した。

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