天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「変態…」
打田は軽蔑の眼差しを向け、
「女の敵!」
梨々香は銃口を向けた。
「ぼ、僕は…健全な男の反応だと思います!わかります!理解できます!」
必死にホローしているつもりのようだが…ホローになっていない輝。
「別に…片目があればいいぞ!隻眼の剣士って、おれに似合っているだろ?」
いつのまにか、アイパッチをしている十六は、照れたように笑っていた。
「ち、違うわ!」
高坂は顔を真っ赤にして、否定した。
「くそ…出遅れましたね」
アルテミアと浩也が激突した森の隙間にやっと着いた…緑とさやか。
両膝を地面につけ、自失呆然となっている浩也の後ろに立ち尽くす九鬼の様子に、2人は近付くことはできなかった。
「ア、アルテミアはどこだ?」
まだふらつきながら、カレンが一番遅れて、隙間に着いた。
「そう言えば…」
緑は、周囲を探したが、美亜に化けているアルテミアの姿はなかった。
「…」
さやかは無言で、周囲を伺った後、
「一旦、合宿所に戻るか?ここからなら、抜け道が近い」
再び九鬼と浩也に目をやった。
(それとも…ここで休むか?先程の騒動で、魔物達がなりを潜めている。しばらく、時間を稼げるが…)
合宿所に戻るかと口にはしたが、さやかもどうするか悩んでいた。
「如月部長…。あたしなら、大丈夫です」
突っ立っていた九鬼が、浩也を見下ろしながら答えた。
「…」
さやかと緑、カレンが九鬼の背中を見た。
「多分…彼も」
九鬼は、浩也の方に一歩近づいた。
「わかった」
さやかは頷き、
「だったら、さっきの岬に戻ろう。あそこのそばに、休憩所がある」
九鬼達に背を向けると来た道を戻りだした。
「了解しました」
九鬼も頷くと、浩也の横にしゃがみ込み、肩を貸そうとした。
すると、反対側にカレンが来た。二人して、浩也を立たせると引きずるように、歩き出した。
周囲の森も、風で舞う木々のざわめきしか聞こえなかったが…微かに、その中に魔物の息吹も混じり出していた。
打田は軽蔑の眼差しを向け、
「女の敵!」
梨々香は銃口を向けた。
「ぼ、僕は…健全な男の反応だと思います!わかります!理解できます!」
必死にホローしているつもりのようだが…ホローになっていない輝。
「別に…片目があればいいぞ!隻眼の剣士って、おれに似合っているだろ?」
いつのまにか、アイパッチをしている十六は、照れたように笑っていた。
「ち、違うわ!」
高坂は顔を真っ赤にして、否定した。
「くそ…出遅れましたね」
アルテミアと浩也が激突した森の隙間にやっと着いた…緑とさやか。
両膝を地面につけ、自失呆然となっている浩也の後ろに立ち尽くす九鬼の様子に、2人は近付くことはできなかった。
「ア、アルテミアはどこだ?」
まだふらつきながら、カレンが一番遅れて、隙間に着いた。
「そう言えば…」
緑は、周囲を探したが、美亜に化けているアルテミアの姿はなかった。
「…」
さやかは無言で、周囲を伺った後、
「一旦、合宿所に戻るか?ここからなら、抜け道が近い」
再び九鬼と浩也に目をやった。
(それとも…ここで休むか?先程の騒動で、魔物達がなりを潜めている。しばらく、時間を稼げるが…)
合宿所に戻るかと口にはしたが、さやかもどうするか悩んでいた。
「如月部長…。あたしなら、大丈夫です」
突っ立っていた九鬼が、浩也を見下ろしながら答えた。
「…」
さやかと緑、カレンが九鬼の背中を見た。
「多分…彼も」
九鬼は、浩也の方に一歩近づいた。
「わかった」
さやかは頷き、
「だったら、さっきの岬に戻ろう。あそこのそばに、休憩所がある」
九鬼達に背を向けると来た道を戻りだした。
「了解しました」
九鬼も頷くと、浩也の横にしゃがみ込み、肩を貸そうとした。
すると、反対側にカレンが来た。二人して、浩也を立たせると引きずるように、歩き出した。
周囲の森も、風で舞う木々のざわめきしか聞こえなかったが…微かに、その中に魔物の息吹も混じり出していた。