天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「高坂部長!」
巨木のそばに転送された梨々香は、血の臭いを感じて、反射的に銃を構えた。
その照準の先には、背中を向けて立ち尽くす高坂が立っていた。
「!?」
梨々香は銃口を向けながら、唖然とした。
「…」
そのそばでは、両膝を地面につけて嗚咽している打田がいた。
「…やはり」
高坂は拳を握り締め、
「気持ちのいいものではないな」
梨々香の方に目を瞑りながら、振り向いた。
「え」
高坂の向こうで、絶命している虎に似た魔物が倒れていた。
土手っ腹に穴が空いており、そこから血が流れていた。
「だ、誰が!?」
穴が空いた腹を見ようとした梨々香に、
「見てはいけない!」
高坂が叫んだ。
「え?」
あまりの剣幕に、梨々香は銃口を反射的に、高坂に向けて突きだした。
「見ては…駄目だ」
高坂は、握り締めていた拳を開いた。
そこには、大月学園の校章があった。
それを見た瞬間、梨々香はすべてを悟った。
「く!」
顔をしかめて、銃を下ろした。
高坂は再び校章を握り締めると、目を開け、
「しばらく…休もう」
もう片方の手で、崩れ落ちている打田の肩に手を置いた。
「…は、はい…」
蚊の鳴くようなか細い声で答えた打田は、ふらつきながらも何とか立ち上がった。
しかし、その瞬間…高坂は気付いた。
「チッ」
舌打ちとともに、周囲を睨んだ。
「く、くそ!」
下ろした銃を握り締めると、梨々香は巨木の周りに銃口を向けた。
「血の臭いを嗅ぎ付けたか!」
高坂は、まだショックから立ち直っていない打田は背中で庇うように立つと、前方を睨んだ。
巨木を囲む茂みから、多数の虎に似た魔物が姿を現した。
「畳先輩の敵!」
梨々香は、銃口を魔物達に向け、引き金を引いた。
「うぎあ!」
一匹の魔物に当たった瞬間、戦いは始まった。
一斉に襲いかかってくる魔物達。
巨木のそばに転送された梨々香は、血の臭いを感じて、反射的に銃を構えた。
その照準の先には、背中を向けて立ち尽くす高坂が立っていた。
「!?」
梨々香は銃口を向けながら、唖然とした。
「…」
そのそばでは、両膝を地面につけて嗚咽している打田がいた。
「…やはり」
高坂は拳を握り締め、
「気持ちのいいものではないな」
梨々香の方に目を瞑りながら、振り向いた。
「え」
高坂の向こうで、絶命している虎に似た魔物が倒れていた。
土手っ腹に穴が空いており、そこから血が流れていた。
「だ、誰が!?」
穴が空いた腹を見ようとした梨々香に、
「見てはいけない!」
高坂が叫んだ。
「え?」
あまりの剣幕に、梨々香は銃口を反射的に、高坂に向けて突きだした。
「見ては…駄目だ」
高坂は、握り締めていた拳を開いた。
そこには、大月学園の校章があった。
それを見た瞬間、梨々香はすべてを悟った。
「く!」
顔をしかめて、銃を下ろした。
高坂は再び校章を握り締めると、目を開け、
「しばらく…休もう」
もう片方の手で、崩れ落ちている打田の肩に手を置いた。
「…は、はい…」
蚊の鳴くようなか細い声で答えた打田は、ふらつきながらも何とか立ち上がった。
しかし、その瞬間…高坂は気付いた。
「チッ」
舌打ちとともに、周囲を睨んだ。
「く、くそ!」
下ろした銃を握り締めると、梨々香は巨木の周りに銃口を向けた。
「血の臭いを嗅ぎ付けたか!」
高坂は、まだショックから立ち直っていない打田は背中で庇うように立つと、前方を睨んだ。
巨木を囲む茂みから、多数の虎に似た魔物が姿を現した。
「畳先輩の敵!」
梨々香は、銃口を魔物達に向け、引き金を引いた。
「うぎあ!」
一匹の魔物に当たった瞬間、戦いは始まった。
一斉に襲いかかってくる魔物達。