天空のエトランゼ〜赤の王編〜
「ちょ、ちょっと待て!」
大量に投入される科学兵器を見て、絵里香は絶句してしばらく呆然としてしまった。
魔法の使えない島内を見越して、忍者達はガソリンで動く兵器を投入してきたのだ。
それは、大月学園で結城の下についた兜が設計したものだった。
島にいる魔物を全滅させる計画が出た時から、もしもの為に作られ、用意されていたのだ。
埠頭から入れない為、合宿所前までクレーンに吊るされて、上陸した戦車に、数多くの銃器類。特に多いのが、火炎放射器だった。
もう隠密部隊というよりは、軍隊に近かった。
次々に上陸してくる忍者達の中で、指示を飛ばしている男を発見した絵里香は、すぐさま駆け寄った。
慌ただしく走る忍者達とは、逆の方向に走る絵里香の姿は目立ち、司令官と思われる男はあからさまに嫌な顔をした。
「何ですか!この部隊は!島にはまだ、生徒達が!」
「生徒達は、全員死んだと報告を受けている」
司令官は、近づいて来た絵里香を追い越し、ぶっきらぼうに言い放った。
「な!」
絵里香は足を止め、振り返った。
「それに、我々の仲間も死んだんだ!」
司令官は、苛立ちと怒りから声を荒げた。
「そんな馬鹿な!」
絵里香は遠ざかっていく司令官に、食い下がる為に歩きだそうとした。
すると、両脇から忍者達に腕を取られた。
「民間人は、黙っていて頂こうか!」
振り返ることはしなかったが、司令官は足を止めた。
「み、民間人だと!あたしは、大月学園の教師だ!」
絵里香は腕を振り払おうとしたが、さすがは訓練された者達である。びくともしなかった。
「もう教師風情が、口を挟める状況ではなくなったのだよ!百名以上の人間が死んでいるんだ!」
司令官の言葉に、わなわなと震え出した絵里香は、堪忍袋の緒が切れた。
「教師を舐めるな!」
「え!」
突然、司令官の耳元で声がしたと思った瞬間、激しい痛みが横っ腹を貫通したように走った。
大量に投入される科学兵器を見て、絵里香は絶句してしばらく呆然としてしまった。
魔法の使えない島内を見越して、忍者達はガソリンで動く兵器を投入してきたのだ。
それは、大月学園で結城の下についた兜が設計したものだった。
島にいる魔物を全滅させる計画が出た時から、もしもの為に作られ、用意されていたのだ。
埠頭から入れない為、合宿所前までクレーンに吊るされて、上陸した戦車に、数多くの銃器類。特に多いのが、火炎放射器だった。
もう隠密部隊というよりは、軍隊に近かった。
次々に上陸してくる忍者達の中で、指示を飛ばしている男を発見した絵里香は、すぐさま駆け寄った。
慌ただしく走る忍者達とは、逆の方向に走る絵里香の姿は目立ち、司令官と思われる男はあからさまに嫌な顔をした。
「何ですか!この部隊は!島にはまだ、生徒達が!」
「生徒達は、全員死んだと報告を受けている」
司令官は、近づいて来た絵里香を追い越し、ぶっきらぼうに言い放った。
「な!」
絵里香は足を止め、振り返った。
「それに、我々の仲間も死んだんだ!」
司令官は、苛立ちと怒りから声を荒げた。
「そんな馬鹿な!」
絵里香は遠ざかっていく司令官に、食い下がる為に歩きだそうとした。
すると、両脇から忍者達に腕を取られた。
「民間人は、黙っていて頂こうか!」
振り返ることはしなかったが、司令官は足を止めた。
「み、民間人だと!あたしは、大月学園の教師だ!」
絵里香は腕を振り払おうとしたが、さすがは訓練された者達である。びくともしなかった。
「もう教師風情が、口を挟める状況ではなくなったのだよ!百名以上の人間が死んでいるんだ!」
司令官の言葉に、わなわなと震え出した絵里香は、堪忍袋の緒が切れた。
「教師を舐めるな!」
「え!」
突然、司令官の耳元で声がしたと思った瞬間、激しい痛みが横っ腹を貫通したように走った。