天空のエトランゼ〜赤の王編〜
走りながら、高坂はくそと自らに対する怒りを吐き出した。
夜のジャングルだが、思い出す度に沸き上がる苛立ちが、恐怖を上回っていた。
それに、二年前の島中を走り回ったときに、地形は頭に入っていた。草花くらいで、惑わされてることはない。
己の枝や落ち葉を踏みつける音も、気にならなくなった。
そして、高坂は着いた。 ジャングルが髪の毛だとしたら、そこに小さくできた十円禿のような空間に。
その空間の中心に刺さっている十字架のような墓標。
高坂はその墓標に抱き着くと、両足に力を込めてゆっくりと回し始めた。
「そうよね。まさか…墓標が、鍵になってるとは思わないものね」
突然、右側から声がして、高坂は墓標を回しながら、驚いた。
しかし、それでも知った声であった為に、途中で止めることはなかった。
墓標を二回半回転させると、汗だくになりながら高坂は、声がした方を見ずに訊いた。
「どうしてここにいる?危険だろ?」
「それは、お互い様でしょ。それに、こっちは頼もしい助っ人がいるし」
高坂が顔を向けた方向には、さやかと九鬼が立っていた。
「なるほど…生徒会長に、道案内を頼んだのか」
フッと笑う高坂に、九鬼が口を開いた。
「本当は如月部長が、1人でいくつもりだったようですが、夜のジャングルは危険なので、無理矢理同行しました」
小屋から出ていくさやかの姿を、スクリーンで確認した九鬼は急いで後を追ったのだ。
「これで、見張りがいなくなったじゃない。まあ〜あそこの結界はそう簡単に、壊れないと思うけど」
簡易結界と言ったのは、自分を見張りにつける為のさやかの嘘だった。
もともと1人で、来るつもりだったのだ。
「来たものは、仕方がないが…けりは、俺がつける!」
高坂がそう言うと、十字架の先端が光り、墓標を中心にして魔法陣を描き始める。
「いくぞ!」
高坂達が、魔法陣の完成を待っていると、風が吹いてきた。
夜のジャングルだが、思い出す度に沸き上がる苛立ちが、恐怖を上回っていた。
それに、二年前の島中を走り回ったときに、地形は頭に入っていた。草花くらいで、惑わされてることはない。
己の枝や落ち葉を踏みつける音も、気にならなくなった。
そして、高坂は着いた。 ジャングルが髪の毛だとしたら、そこに小さくできた十円禿のような空間に。
その空間の中心に刺さっている十字架のような墓標。
高坂はその墓標に抱き着くと、両足に力を込めてゆっくりと回し始めた。
「そうよね。まさか…墓標が、鍵になってるとは思わないものね」
突然、右側から声がして、高坂は墓標を回しながら、驚いた。
しかし、それでも知った声であった為に、途中で止めることはなかった。
墓標を二回半回転させると、汗だくになりながら高坂は、声がした方を見ずに訊いた。
「どうしてここにいる?危険だろ?」
「それは、お互い様でしょ。それに、こっちは頼もしい助っ人がいるし」
高坂が顔を向けた方向には、さやかと九鬼が立っていた。
「なるほど…生徒会長に、道案内を頼んだのか」
フッと笑う高坂に、九鬼が口を開いた。
「本当は如月部長が、1人でいくつもりだったようですが、夜のジャングルは危険なので、無理矢理同行しました」
小屋から出ていくさやかの姿を、スクリーンで確認した九鬼は急いで後を追ったのだ。
「これで、見張りがいなくなったじゃない。まあ〜あそこの結界はそう簡単に、壊れないと思うけど」
簡易結界と言ったのは、自分を見張りにつける為のさやかの嘘だった。
もともと1人で、来るつもりだったのだ。
「来たものは、仕方がないが…けりは、俺がつける!」
高坂がそう言うと、十字架の先端が光り、墓標を中心にして魔法陣を描き始める。
「いくぞ!」
高坂達が、魔法陣の完成を待っていると、風が吹いてきた。